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2006年8月 7日 (月)

生きる意欲

 暑い。誰がどう考えたって暑いとわかりきってるときにわざわざ「暑い」と言明するのはとても野暮なことというか、場合によってはいやましに暑苦しさを加速させるだけだけと思うが、それでも「暑い」と言わざるをえないほど暑い。

 気温が一定以上の高さになると活動性が鈍るのは、生物としては当然のことだろう。どんな生き物にも、活動に適した温度帯というものがあるのだ。逆に寒過ぎても、動きは鈍る。温度が下がり過ぎれば、ものを考えることもできなくなって、やがてかぎりなく死に近づいていく。よくある、雪山で遭難して「眠っちゃダメだーっ」というやつだ。それはまさに死を意味するのだ。

 ところで、ゴキブリというのはもともと熱帯性の生き物であって、温度がある程度以上高いところでないと活動できない。ある種のゴキブリは、摂氏25度以下になると動きが鈍くなり、摂氏20度以下になるとまったく動けなくなるという。

「動けない」だけで、死んでしまうわけでは必ずしもない。彼らを叩き潰すと、腹から白い気持ち悪い物質がにゅるっと出てくるが、あれはラクダのコブと同じで、非常時のために備蓄している脂肪分なのだ。10日やそこらものを食わなくても平気で生きている。寒過ぎて動けなくなっても、だからそう簡単に死にはしない。仮死状態のままじっと身を潜めていて、暖まってくればまた活動を再開するのだ(たぶん)。

 そんなわけで、昔、北海道にはゴキブリは棲息していなかった。しかし最近は、札幌などでも目撃例があると聞く。空調の普及などで「活動できる領域」が広がり、北上していったということなのだろう。ああ、なんか、「北海道」という文字を書いたら、涼しいような気になってきたぞ。ありがとうゴキブリ。

 それにしても、そんな強靱な生き物であるゴキブリなら、ゴキブリホイホイで捕獲されてもしばらくは生きているだろう。実際、粘着物質に足を取られて身動きが取れなくなってもなお、触角をヒクヒクさせている姿を見た記憶がある。その一方で、生き物というのは身動きが取れなくなると生きる意欲を失って死んでしまう、という説も聞いた覚えがある。

 ゴキブリの場合はどうなのだろうか。それでもなお、腹に備蓄した脂肪を使い切るまで、微動だにできぬ体で生きつづけるのだろうか。僕は子どもの頃から、それが気になってしかたがないのだ。

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コメント

ゴキブリホイホイは私も使いましたが、一晩で死んでいたような・・・それとも捲土重来を期してじっと脱出のチャンスをうかがっていたのか??

今となっては分かりませんが、ゴキブリのお腹から出てくるあの白いものが脂肪だっとは知りませんでした。

なるほどそれで、越冬していたのですね。
ゴキブリの寿命がどれくらいかは知りませんが、呆れるほどしぶとい生き物であるのは確かです。

そのゴキブリにも必殺法があります。
台所洗剤をぶっかけると殆ど即死します。
窒息するんでしょうか??

投稿: ちあき | 2006年8月 8日 (火) 11時05分

台所洗剤は猛毒らしいですね。
あと、聞いたところによると、熱湯をかけると即死だそうですよ。僕は昔、ゴキブリにヤカンから熱湯をかけて延々殺戮していく夢を見たことがあります。

投稿: 平山瑞穂 | 2006年8月 9日 (水) 01時29分

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