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2006年8月 9日 (水)

正しいとは

 よけいなことは言わないで早く寝た方がいいと思う。思うんだけど言わずにいられないことがある。言わずにいられない。言わないわけにはいかない。そう、僕は思うのだ、村上春樹が言う「〜しないわけにはいかない」の多くは、本当は「〜せずにはいられない」なのではないかと。あれは微妙に用法が間違っているのではないかと。英語にすると両方"can't stop(help) ...ing"だけど、ニュアンスは微妙に違うのではないかと。村上春樹は微妙に間違っている。

 いや、そんなことを言おうとしたわけじゃないのだ。僕が「言わずにはいられない」(村上春樹的には「言わないわけにはいかない」)と思ったことはそんなことではなくて。

 言葉尻を捉えれば正論であっても、なにかが間違っていると感じることってないですか? なんかそれ違うんじゃない? と思うこと。それはたぶん、本当に「間違って」いるのです、なにかが。論理的におかしいのじゃなくて、たとえば倫理的に。僕はそのときそれを「おかしい」と感じる自分の感性を信じたいと思うのです。「正しさ」というのはそこにはないのだと思いたいのです。

 正しいことを言っているからと言って、それが正しい選択であるわけでは必ずしもない。友達の友達は必ずしも友達ではない。ゆるぎない自分など本当の自分ではない。ゆるぎなくなったらそれはすでに人間ではない。ああ、僕はあきらかによけいなことを言っているようだ。

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コメント

おっしゃっていることなんとなく分るような気がします。

平山さんと私とでは考え方が違うかもしれませんが、昔私が若かった頃、いわゆる女流評論家の全盛時代がありました。

彼女たちの言っていることは確かに正しい・・・でも・・・

ある男性評論家が『俺を独裁者にしたら過激な学生運動家どもを後楽園球場に集めて片っ端から撃ち殺し、世の女流評論家をまとめて刑務所に叩き込む!』と言ったとかいう記事を見て思わず笑ったおぼえがあります。

あの女性たちは今頃どうしているんでしょうか。
多くは亡くなったかもしれませんが、マスコミから姿を消して20年以上はたちます。

投稿: ちあき | 2006年8月10日 (木) 10時49分

そうなんです。それは僕が言わんとしていることとそう大きく離れてはいないと思います。僕は彼女たちが活躍した時代をリアルタイムではほとんど経験していないと思いますが、どの時代にもそういう人たちがいるということなのです。
「正しいこと」を言っているはずなのに、なぜか「そうだそうだ!」とモロ手を挙げて賛同する気持ちになれない、という……。そういう「正論」って、批判を許さないところがあるじゃないですか。ケチをつけた方が悪人になってしまうような構造というか。そのことに対するもどかしさをなんとか言語化したいのですが、それもうまくできなくてもどかしい限りなのです。

投稿: 平山瑞穂 | 2006年8月10日 (木) 20時16分

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