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2006年9月14日 (木)

隣のダンジョン

「絶対、和風じゃない方がいいと思うのに……」

 突き返された洋風コスチュームの試作品を胸に担当のスタッフがぼやく中、女は、わりに露出度の高い和風のコスチュームを身につけ、同じく和風の、しかしザコキャラだということがはっきりとわかるコスチュームを着た2人の手下(女)を引き連れて、颯爽と基地を出ていく。

 移動はどうも普通の乗用車らしい。地味だ。ともあれ、見たところ普通のビルのように見えるところに降り立った女と2名の手下は、堂々と正面玄関から怪人のアジトを訪ねる。いや、そこは「アジト」と言うよりむしろ、怪人が平常時になんらかの商いをしている一種の店舗らしいのだ。なんの商いなのかはわからないのだが。

 全身が緑色で、どうやら全裸と思しい怪人は、1階のだだっぴろく薄暗いフロアの中央に、大きなたらいのようなものを置いて水を張り、仰向けに膝を曲げて上半身をそこに浸けるような姿勢を取っている。それが普段の彼のポジショニングなのだ。何をしているのかはわからないのだが。

「失礼いたしまーす!」

 最近、居酒屋などでよく聞くようになった、「失礼」が低く「いたしまーす!」で上がるイントネーションで挨拶しながら、女が独特の所作で膝を屈して恭順の意を表す。2名の手下も同じ姿勢だ。この女は、怪人を倒しに来たはずなのに、どうしてこんなに礼儀正しいのか。

「なんじゃおまえらは!」

 緑色の怪人が驚きと怒気の混ざった声を上げながら、たらいの中から上半身を起こす。飛び散る飛沫も緑色をしているようなので、どうも、ただの水ではなくて、「培養液」かなにかなのかもしれない。

「はい、私たちは、“神様の隣のダンジョン”がシンボルマークの……」

 女がそう言っている間に、目が覚めた。惜しい。続きを見たかった。せめて彼らがなんの組織に属しているのかだけでも知りたかった。“神様の隣のダンジョン”? 気になるフレーズだ。あ、しまった。こんなところで夢の内容として暴露するより、それをタイトルにして1本書けばよかった。

 今週は予告どおり「仕事ウィーク」にしており、毎日ほぼまっすぐ会社から帰宅して(作家としての)仕事に励んでいるのだが、会社での仕事もたまたまそこそこ忙しいので、帰宅直後は眠気に抗えず、どうしても横になってしまう。ほんの30分ほどだが、うたた寝している間に膨大な夢を見る。そして、大音量でBGMが流れる。

「女と怪人」の映像を見ている間は、オリジナルのインストルメンタルだった。今もその一節が、間引きされた形とはいえ頭の中で流れている。ちょっとフュージョンっぽい曲だ。うたた寝状態の自分が駆使しているらしい、このリアルタイム作編曲の能力を、どうにかして活用する方法がないか、と高校生の頃から考えているが、いい方法が見つからない。

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コメント

新作のブログ小説家と思いました(笑)

「神様の隣のダンジョン」
気になりますねぇ

続きは作品発表を待っています

投稿: みなっぺ | 2006年9月15日 (金) 11時09分

2本並行連載はムリです(笑)。
しかしこれ、タイトルからイメージ膨らませるとおもしろそうなので、皆さんがこのエントリを忘れた頃に作品化するかもしれません……。

投稿: 平山瑞穂 | 2006年9月15日 (金) 17時42分

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