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2006年10月16日 (月)

処分されるアート

 最寄り駅からマンションまで続いている商店街に、仮店舗用の貸しスペースみたいなところがあって、数日〜1週間単位で売り主および商品が入れ替わっている。今は、額入りの絵画(現物なのか、複製なのか、たぶん両方)を所狭しと並べて売っている。それはいいのだが、通りに向けて貼り出した手書きの看板の文字が、

「世界のアート大処分市」

「世界のアート」を「大処分」されてもなぁ、と思いつつ、いつも前を素通りしている。ちらっと見る限り、二千円程度の小さな額から揃えてあるようで、もしかしたら掘り出し物もあるのかもしれない、と思わないでもないのだが、どうしても、そのスペースに足を踏み入れて物色してみようという気持ちになれない。

 同じスペースで、ちょっと前までは女性用下着を大売り出ししていた。通りにはみ出さんばかりに立てかけられたパネルにも、色とりどりの下着がちりばめられていた。こんなところで立ち止まって、「どのパンツがいいかな」と選んだり手に取ってみたりする女性客がいるのだろうか。そんな素朴な疑問を、妻に投げかけてみた。

「不適切な喩えかもしれないけど、あれはまるで、レンタルDVDショップで、アダルトコーナーを外から見える位置に設置してるようなもんなんじゃないかな」
「適切な喩えだよ! 同じだよ、それと! あんな状態で買う人いないよ!」

 実際にその仮店舗に1人でも客がついたのかどうか、僕は知らない。ただ、けっこう豪胆でなりふりかまわない人々が多い土地柄なので、僕が想像しているよりはずっと満足の行く売上を達成した上で、その売り主は去っていったのかもしれない。もしもそこまで見越した上でロケーションを選んでいたのだとしたら、僕などがあれこれと論評するのはいらぬお世話というものだろう。

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コメント

 先日コメントした高校2年の時に同じクラスだった者です。よく、池袋の話が出ているため、近くに住んでいるのだろうと思っていたのですが、本日の「処分されるアート」を読んで、もしかしたら、東上線沿線にお住まいなのでは、と思いました。
 実は、私が住んでいる東上線沿線の板橋区内の某駅から続く商店街でも、そのような1週間単位でばったものを売っている店がしばしば、現れるので、ふと思いました。それでは、また。いろいろと、楽しみに読ませてもらっております。

投稿: 名乗るほどの者ではありません | 2006年10月17日 (火) 10時36分

あ、はい、ビンゴです。東上線沿線板橋区内住民です。もしかして、そのばったものの店って同じ店のことを指していたりしませんかね。まあ、あのへんの駅前には必ず似たような商店街がありますけども。
ちなみに「世界のアート処分市」の看板はその後、「製造直販」ナントカというコピーに替わっていました。どっちみち、美術品を買おうという気持ちにさせる文言ではないと思いますが(絵画の「製造直販」って……?)。

投稿: 平山瑞穂 | 2006年10月17日 (火) 19時22分

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