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2006年10月29日 (日)

無為の軽さ

 最近とみに具合の芳しくない無為を、夕方から動物病院に連れていかなければならなかったため、なんとなく気分が落ち着かず、日中は実質1時間ほどしか執筆の時間を取ることができなかった。

 その動物病院では、無為はすっかり「凶暴な猫」として有名になっており、カゴから出した途端にツメをとがらせて誰かれかまわず猫パンチをかませるのが非常に危険なため、あるときから洗濯用のネットにすっぽりとくるんでからカゴに入れて運ぶようになった。普段は車の運転ができる妻がその役を買って出ていたのだが、今日は仕事の都合で予約の時間にどうしても間に合わず、急遽僕が代行することになった。

 妻から聞いていたところによると、まずネットにくるむまでがひと苦労だという。くるんでしまいさえすれば、白いもこもこしたかたまりと化してしまうため、そのままカゴに入れればいいわけだが、その後にどんないやなことが控えているかすでに学習してしまっているだけに、ネットが見えた時点で激しい抵抗をするというのだ。

 しかし、今日、初めてやってみたところ、ことは信じられないくらいスムーズに進んだ。押し入れで寛いでいたのを掴み上げたときに一瞬「ぎにゃっ」と言って身をよじらせただけで、ほとんど抵抗にあうこともなく一瞬でネットにくるむことができた。ただ、ネットのファスナーを閉じている間に、ひと声だけ、「にゃっ?」となにか疑問のようなものを発していた。

 たぶん、僕にそれをやられるとは思ってもいなかったのだろう。事実上の不意打ちになっていたわけだ。2度目、3度目も同じ要領で行けるかどうかは、やってみないとわからない。

 1時間ほど待って、点滴を打ってもらった。もうかなり弱っていて、ほとんど自分では食べず、食べてもすぐに戻してしまうため、点滴が命綱になっている。明後日は獣医学の権威・東大病院で診てもらうことになっているが、回復に向かうかどうか、かなり妖しい雲行きになっている。体重も、いちばん太っていた頃より3割がた減ってしまった。抱き上げると骨張っていて軽くて、せつなくなる。

 デブだデブだと言っていたが、デブ猫だった頃がなつかしい。どんなにデブでもいいから、元気で生きていてほしいと思う。

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コメント

「無為」と言うのは平山さんが飼っている猫の名前でしょうか?
シュガーでは「みけ松」となっていますね。
デブ猫だったにせよ骨浮き出るほど痩せて軽くなってしまったのは本当にかわいそうだと思います。
我が家ではハムスターを飼ってますがはじめは雄同士2匹でした。でも喧嘩をしていたのか酷い傷を負い1匹は死んでしまいました。その後、ケージにはぽつんと1匹いますが気持ち小さくなったような気がします。人間でなくても弱っていく姿を見るのはなんか切ないですね。

投稿: ゾーン | 2006年10月30日 (月) 02時10分

はい、「無為」は「みけ松」のモデルです。というか、「みけ松」はリアルライフでも「無為」の別名のひとつなのです。そんな名前でも一応メス猫なんですが(笑)。
見た目は元気だし、猫らしく決まった日課があって、それを淡々とこなしている姿を見ているかぎり、具合が悪いなんて信じられないのですが、とにかくもう、ほとんど食べずに痩せるばかりで……。
しかしハムスター、あんな愛らしいなりをしてけっこう恐ろしいのですね、同種同士の争いでは殺傷能力もあるという……。

投稿: 平山瑞穂 | 2006年10月30日 (月) 21時30分

老いていく姿は、動物全てに共通するものですね。
だからって、納得なんかできないけどさ!
だって、ペットはいくら年寄りでも、飼い主にとっちゃ子供なんだもの。
ハムスターは、恐ろしい話を聞いたことがあります。こええ。
無為ちゃんは、まだまだっす。
ちょっと酔っているのです。

投稿: 山田 | 2006年10月31日 (火) 01時05分

そうなのです、ペットはいつまでも「子供」なのです。あどけなくて無力で、いつまでも成長しない永遠の子供なのです。
無為、今んとこ普通に歩いてるだけまだましですかね。気に食わないことがあると憤然として立ち去るような元気もあるし。あ、さっき、トロをやったらうまそうに食べてました。

投稿: 平山瑞穂 | 2006年10月31日 (火) 01時46分

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