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2006年11月11日 (土)

分骨

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 無為のお骨は近場のペット霊園に納骨したが、一部、分骨してもらって、しばらくの間は手元に置くことにした。骨壷を振ると、中に収めた大腿骨が揺れて、「チリン」という音がする。無為がつけていた鈴の音のようだ。

 8日のエントリで触れたカンガルーのぬいぐるみは、結局、無為のなきがらと一緒に荼毘に付した。生前、いちばんお気に入りのおもちゃだったから、形見に残しておきたい気持ちもあったが、思い入れが強すぎて、見るのがかえってつらいかもしれない。それに、あの世に旅立った無為だって、ときにはおもちゃで遊びたくなるだろう。そう考えてのことだ。

 少しずつ、平常に復していかなければならないと思う。今日はさしあたって、住戸の掃除をした。死を待つばかりの無為の心が少しでも穏やかでいられるようにと、無為が嫌う掃除は1回スキップしてしまったので、部屋中に埃が舞っている。でも、無為のエサ皿が置いてあったキッチンの一隅と、無為の爪研ぎが置いてあったリビングの一隅は、驚くほどきれいだった。この1、2週間、無為がほとんどそのエリアに立ち寄らなかった証拠だ。

 その後ようやく、『冥王星パーティー』の原稿に向き合い、入稿前のちょっとした調整に取りかかる。やらなければならないことがなにかあるのは、かえって助かる。そうでなければ、抜け殻のようにただぼんやりと時を過ごすことになりかねないからだ。

 そして明日は、「文学フリマ」だ。5年前、大塚英志氏の呼びかけでこの催しが立ち上がってからずっと、僕はこれに参加してきた。ただし、作家としてではなく、サラリーマンとして、正確には、某社会人サークルの一員としてだ。そこで僕は「極楽寺坂みづほ」を名乗っており、「覆面男性作家を兼業している女性」という設定になっている(二重・三重にフィクション化が施され、もはやなんだかよくわからなくなっている)。ご興味のある方は以下をチェックされたし。

その、某社会人サークルの公式ブログ

文学フリマ公式HP

 ここのところ無為のことで手いっぱいで、明日の「文学フリマ」にも僕はとうてい参加できそうにない見通しだったが、リハビリの一環としても一応、午後あたりに顔を出そうかなとは思っている。今のところは。しかし、無為のことがひと段落ついてほっとした途端、なんだか風邪をひいたっぽい。明日、秋葉原まで出かけていく元気が本当にあるだろうか……。

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コメント

文学フリマに行きましたが、ブログをチェックしてなかったので、今年は新刊もないようだし平山さんも来てないなと思って帰ってきました。
あったんですか、新刊。
(既刊の「戦争文学が……」しか目に入らなかった)
来ていたんですか、極楽坂みづほ。

書籍版『シュガーな俺』、拝読しました。
たいへん面白かったけれど、『ラスマン』のようなねじくれたものも好きなので『冥王星パーティー』がねじくれ路線なことを期待してます。
期待は常に裏切られ、意表を衝かれまくってますが。

投稿: 黄海 | 2006年11月12日 (日) 20時42分

僕も文学フリマに行きました。無為ちゃんの事もあるし、風邪をひいたとの事でしたので迷いましたが行って正解でした。
短い時間ではありましたが、極楽寺坂さん(平山さん)とお会いした時はかなり舞い上がっておりまして、何を話したのかもよく覚えておりません。でも話していてとても気さくな方だなと思いました。持参した書籍版「シュガーな俺」にサインを頂いてとっても嬉しいです。帰りに川崎の丸善で「ラスマン」を買いましたよ。行きに買っていけば「ラスマン」にもサインを頂けたのに・・・と悔やまれます。
最近はシュガーとは違う病気の事もあってか、自ら遠出をしようと言う気にならなかったのですが今日は自分で遠出をしようという気になり妻も喜んでおりました。
本日は貴重な体験ができたと思います。有難うございました。

投稿: ゾーン | 2006年11月12日 (日) 21時57分

> 黄海さん
すみません、無為のことがあって、当日行けるかどうか直前まで確信が持てなかったので、このブログでもご案内が直前になってしまいまして……。いや、極楽寺坂みづほ、午後1時くらいからはなんとなくブースの周辺で遊弋していたのですが。新刊も一応あったのですよ。ただ、今回はこれまでの総集編的意味合いの強い冊子だったんですけどね。
毎回ご期待を裏切ってしまい、申し訳ございません(笑)。『冥王星パーティー』は、「シュガー」よりは「ラスマン」寄りだと思いますが、またしても裏切ってしまうことになりそうな気が……。むしろ、その次に小学館から出すやつにご期待ください。

> ゾーンさん
今日はわざわざお越しくださってありがとうございました。サインを書くとき、直前に聞いていながらお名前の字を間違えてしまい、かえすがえすも申し訳ない気持ちでいっぱいです。僕自身、読者の方と直接接する機会があまりありませんので、少々緊張していた模様で……。
で、「ラスマン」も買っていただけたのですね、ありがとうございます。「シュガー」とはあらゆる意味で似ても似つかない作品ですのでちょっと戸惑われるかもしれませんが、僕の原点はあそこにあると思っております。楽しんでいただければ幸いです。
今後ともよろしくお願いいたします。

投稿: 平山瑞穂 | 2006年11月12日 (日) 22時24分

極楽寺か極楽坂か迷って、確かめたつもりで誤記してしまった。
極楽寺坂みづほ様失礼しました!

投稿: 黄海 | 2006年11月13日 (月) 07時40分

あ、ほんとですね。いや、言われるまでまったく気づかずスルーしてました(笑)。しょせん仮名ですのでお気になさらず!

投稿: 平山瑞穂 | 2006年11月13日 (月) 07時44分

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