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2006年11月 4日 (土)

病院バレ

 原則5週に一度かかっている糖尿病専門クリニック、A内科に診察を受けに行く。待ち時間には、採尿・採血のほかに、栄養士さんからの簡単な食事指導を受けることになっている。前日1日分の食事内容をあらかじめ記録しておいて、それのいわば「採点」を受けるわけだ。

 僕は酒も飲むし、忙しいし、妻も僕に負けず劣らず忙しいので、実際には、正直、そういつも理想的な食事が摂れているわけではない。ただ、食事指導を受ける際にはやはり、「ちゃんと理解していますよ」ということを示すためにも極力、食事療法のセオリーに則った食事を心がけており、その内容を克明に記録して提出する。毎回、「バランスの取れた素晴らしい食事内容です。いつも感心しています」と栄養士さんから絶賛をいただく。

 今回も栄養士Sさんは、僕が提出した食事記録をいつもどおりほめてくれたのだが、その後に続けて、こう言い添えた。

「でも平山さん、この食事はご自分で作ってらっしゃるんですか? 奥さんのときもある? そう。いえね、平山さんも奥さんもすごく忙しいでしょうに、毎回こんなにちゃんと作るのは大変だろうなって。あ、『シュガーな俺』、読ませていただいてますよ」

 バレてるし。

 聞けば、読売新聞で紹介されたときから気づいていたという。まあ、糖尿病専門クリニックに勤める栄養士さんなら、新聞で関連記事くらいはチェックするだろうし、そこに顔写真つきで紹介されていて、名前まで一致していたら(「平山瑞穂」は本名)、気づくのは当然とも言える。ただ、それ以降も1、2度はかかっていたはずなのだが、その間に言われなかったので「まだバレてない」と思っていたのだ。

「お話に出てくる“都立新宿病院”がO病院のことで、“板橋病院”がT病院のことでしょ」
「あ、はい、まさに、そのとおりです」
「やっぱり、毎週金曜日にお酒飲んだりとかしてるんですか?」
「あー、ええ、はい、そうですね、そういうときも……」
「なんか、以前はね、ものすごくたくさん飲んでらっしゃったみたいですけど……“亜梨沙”さんと……」
「……はは、く、詳しいですね」
「えーぇ、もう、しっかり読ませていただいてますから!」

 ただ、彼女は今のところ、書籍ではなく、ネットで連載されているところまでしか読んでいないようだ。実は、最後の方に、まさにそのA内科をモデルにしたクリニックも出てくる。どちらかというと肯定的な描き方をしているので、読まれても困るようなものではないのだが、これは先手を打っておいた方がいいと思って、「実は、ここのことも出てくるんですよ」と言っておいた。

「あら、そうなんですか。だったら、コメント欄で反撃しようかしら」

 とのことなので、もしかしたらそう遠くない将来、連載ページのコメント欄にSさんの「反撃」が出現するかもしれない。

 その後、診察室に入ったとき、SさんがA先生に向かって、「先生、平山さんの小説にここも出てくるんですって」と言っていたので、先生もすでに知っているのだということがわかった。

「やっぱり、ものを書く仕事だと、お酒やタバコの量は増えちゃうでしょ」と先生。まったくそのとおりです。よくないとわかってはいるのですが……。

 病院バレも時間の問題だろうと思っていたし、逆に一向にバレなかったとしたらそれだけ作品の存在が知られていないということで、そっちの方が憂慮すべき事態なわけだが、不意打ちに近かっただけに、やはりビビった。悪口を書いていなくてよかった。

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コメント

新聞の力はきっとすごいですよ。
平山さんの場合は、本名ですから逃れようが無いですね・・。

有名になりたいという気持ちと有名になったら不便になるという現実は、ジレンマでしょうね。
一ファンの私としても、平山さんに有名になってもらいたい反面、有名になったらこんな風に一人ひとりとやり取りしてもらえなくなるんじゃないかと寂しくもなり、ジレンマです(笑)

投稿: | 2006年11月 5日 (日) 00時40分

ははは、そうですね。実際そのときになってみなければどうなるかはわからないですけど、よくカキコしてくださる少数の方々と普通におしゃべりしている現在のこのヌルい空気感、僕自身も気に入っているので、それが維持できないとなったらやはり寂しいでしょうねぇ……。
僕はいわゆる「名声欲」というのが強いわけでは必ずしもないのですが、ある程度以上の名声を得ないと作家業も立ち行かないわけで、まったく痛しかゆしですね。

投稿: 平山瑞穂 | 2006年11月 5日 (日) 00時57分

むこうからそのような事を言われるなんて有名になってきた証拠ですね。その栄養士さんは患者の立場に立って話そうという気持ちがあって良いですね。
病院以外でも「あっ!」と振り向かれるようにもっともっと有名になってください。ただその時はシュガーな「ゾーン」を忘れないで下さいね。(笑)
話はそれますが僕の入院した病院は中規模病院でしたがセカンドオピニオンで近所のクリニックもかかりつけとしておいた方がいいのでしょうか。
それとニフの連載のコメントで「先生」と呼ぶ事について少々辛口なコメントが書かれていましたので、これからは普通に「平山さん」とお呼びする事にします。

投稿: ゾーン | 2006年11月 5日 (日) 12時48分

まあ、糖尿病の専門家という、すでにかなりセグメントされた中での話なわけですが、一応、着々と浸透しつつあるというように取っておきましょうか。しかしその栄養士のSさんは、本当にいい人なのですよ、上からものを言う感じもぜんぜんなくて。
あくまで将来、もっと有名になったとしての話ですが、ゾーンさんのように、ハンドルとはいえ固有名で認識している方々については、ずっと忘れないと思いますよ!

セカンドオピニオンについては、うーん、どうなんでしょう。僕の場合はまったくの偶然でそれが得られたわけですが、そこで認識の幅が広がったという面はたしかにありますし、並行して通うまではしないにしても、どこか別のところの見解をときどき聞いてみるというのは無駄にはならない気がしますね。

それと、連載ページの「先生談義」、思わぬ激論(?)にまで発展してしまいましたね(笑)。その後のレスにも書いたとおり、「先生」と呼ばれても僕自身は別にかまわないのですが、そのへんはゾーンさんにお任せします。いろいろお気遣いいただきましてありがとうござまいした。

投稿: 平山瑞穂 | 2006年11月 5日 (日) 14時05分

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