地道な作業
職場の方は昨日から休みに入っていたのだが、1年分の疲れがどっと出たようで、ほぼ終日死んだように横になっていた。今日は、休日にしてはめずらしくきっちり午前中から起きて、一応、形ばかりの大掃除。フローリング部分にワックスがけをして、普段、掃除のときも面倒でどかなさいテレビ台の下もきれいにする。
台の下から、無為の抜け毛のかたまりがごっそりと転がり出てくる。予想していたことだが、目の当たりにするとやはり、胸に迫る。不思議なことに、毛にくるまれるような形で、ドライフードのかけらが2、3個見つかる。エサ場からは遠く離れているのに、どうしてこんなところに来てしまったのか。
窓拭きなどは明日に回すことにして、ひと休みしてから、中断を余儀なくされていた小学館向けの書き下ろしの続きに取りかかる。執筆中はいつも思うことだが、小説を書くというのは本当に、つくづく、孤独で地道な作業だなと思う。何をどういう順序で書きたいかがすべて決まっていても、実際にそれを文章にしていく際には、一から語を、表現を、言い回しを選び、組み立てていかなければならない。
その苦労を思うと、なんとわりに合わない仕事なのだろうと思う。好きでなければやっていられない仕事だ。そして僕はやはり、好きだからこの仕事をやっているのだな、と思う。
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コメント
今年は平山さんに出逢え、作品を拝読させていただき、なおかつこうしてブログでのやり取りまでできた事が最高の出来事でした。
今年もあとわずか。来年は無為ちゃんの喪中になりますが、どうぞ良いお年をお迎えください。来年も楽しみにしています。
投稿: 林 秀樹 | 2006年12月31日 (日) 17時11分
僕は突然の親戚の不幸がありやっと落ち着けました。疲れが出たのか今日は午後まで寝ていました。
小説家の方は語句や言い回しを間違える事もできないし本当に頭が良くて、大変だなと感じます。僕なんかあまりに長文になると自分の言いたい事もわからなくなってきます。
今年はあまり良い事がなかったのですが平山さんにお会いできた事は自分にとって最高の出来事でした。来年は僕にとっても平山さんにとっても良い年でありますようにお祈り申し上げます。
来年はどこかで機会を作り飲みにでもいきたいです。とは言ってもお忙しい平山さんには難しいかもしれませんね。
来年も宜しく御願い致します。
投稿: ゾーン | 2006年12月31日 (日) 17時42分
> 林秀樹さん
今やっと大掃除が済んでひと息ついているところです。
過大なお褒めに与り恐縮しておりますが、そんな風に言っていただけるのはまったく作家冥利に尽きることで、嬉しい限りです。来年も精一杯精進してまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。林さんもご尊父を亡くされて喪中とは思いますが、来年はいい年になりますように。
> ゾーンさん
今年は本当に、ゾーンさんにとってはさんざんな1年であったようですね。心中お察しいたします。が、シュガーの法則から言えば、来年はきっといいことがあるはずですよ!
小説を書くのは、どれだけ慣れてもたいへんだなとは思いますが、やはり職人技的な部分もあるようで、熟練してくる感じが自分の中にもあって、それがおもしろいと言えばおもしろいですよ。
「最高の出来事」だなんて、滅相もないという感じですが、お言葉はありがたく頂戴しておきます。飲む機会なども、いつかひょっこりあるかもしれませんよ。こちらこそ、来年もよろしくお願いいたします。
投稿: 平山瑞穂 | 2006年12月31日 (日) 18時16分