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2006年12月25日 (月)

イブの晩の犯罪

 電子書籍@niftyの『シュガーな俺』連載ページに上乗せする形で、コラム(?)「シュガー通信」の連載が今日から始まった。一応、週1ペースを想定しているが、このシミ通信との差別化が難しい。両方見に来てくださっている方もいるし、内容を重複させるわけにはいかない。どういうネタをどういう風に書いていったらいいか、実はまだほとんど決まっていないので、毎週、書きながら考えていくことになるのだろう。

 ところで、昨日は書き切れなかったのだが、実は昨夜、都内某ホテルでのクリスマスディナーで、僕たち夫婦は期せずしてある犯罪行為を行なってしまった。

 断じて、故意にではない。もともとクレジットカードで払うつもりでいたのが災いしたのだ。コース料理もそろそろ終わり、というタイミングで、給仕の人が「お支払いはどうされますか?」と訊いてきたので、「クレジットで」と答えた。そのやりとりの記憶はある。その後長い間、僕たちのテーブルは放置されていた。デザートもとっくに食べ終わっていた。よく見ると、僕ら以外の客がひと組しかいなくなっている。2部完全入れ替え制の1部だったので、そろそろ出て行かなければまずいと感じた。

 その時点で、「支払いって済んでるんだっけ?」と妻に訊いてみたら、「どうだったかな。でも、済んでるんじゃなかったっけ?」と言う。「済んでるよね、たしか」と答えながら、堂々とレジを素通りして出ていってしまった。

 後から思えば、支払いが済んでいるならレシートを受け取っているはずだから、財布の中を改めるべきだったのだ。しかし、微妙に酔っぱらっていたそのときの僕は、「支払いが済んでいるかどうか従業員に訊いてみるべきだろうか。しかしもし済んでいたとしたら、そんなことを訊くのは恥ずかしいことなのではないか」などとよけいなことばかり考えていて、その点に気が回らなかったのだ。

 家に帰ってきてしばらくしたら、食事をしたホテルから電話がかかってきた。その時点で、初めて僕たちは悟ったのだ。自分たちが「食い逃げ」をしてしまったことを。

 恐懼しながら丁重に詫びを入れ、決して故意ではなかったことを弁解し、請求書を送ってもらうことになった。後日の銀行振込でいいとの由。

 ただ、相手はさすがにちゃんとしたホテルの従業員。「お支払いをしていただいていないのでは?」といったぶしつけな訊き方はせず、「お客様の分の請求書がレジに残っているのですが……」と遠回しな言い方をしてくれていた。まったく、恥ずかしいことこの上ない。

 しかし同時に、学んだこともある。もしも僕たちが、そもそも食い逃げをするつもりで、名前や電話番号を偽って伝えていたとしたらどうだろう? 支払いが済んでいなくても、堂々と出て行けば誰にも見咎められなかったのだ。その時点で、「完全犯罪」が成立していたのではないか。

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