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2007年1月11日 (木)

レビューが好き

 昨日は、「ラスマン」と「ワスチカ」の韓国語訳をしてくださったキム・ドンヒさん、その旦那さんのキム・ヨンベさんと、池袋で落ち合った。2人は日本での永住権も持っているのだが、今回の日本滞在は、その更新手続きのためであるらしい。

 旦那さんの方のリクエストで、鮮魚がうまそうな居酒屋をあてずっぽうに選んで入ってみる。関サバの刺し身と、「鷹木屋」という大分の地酒が旨かった(僕はふだん、味覚的においしいという意味で「うまい」という言葉を使うとき、「旨」という字を使わずひらがなで表記するが、なんとなく、この字を充てたくなるような感じの「旨さ」だった)。

 ヨンベさんは現在、50歳前にして韓国の超有名企業S社の役員だが、日本在住経験も長く、日本酒も含め酒はなんでも大好き。彼とつきあっていると、自然と摂酒量も多くなる。コンピュータによる言語認識を専攻する彼から、酔っぱらった状態で、ある実験的な(前人未到の)小説のアイデアについて貴重な示唆を受けて、燃える。死ぬまでにはいつかチャレンジしてみたい課題を与えられた。その詳細について今は言えない。いつか、作品の形で世に問いたいと思う。

 2軒目は、彼らが投宿しているMホテルのラウンジに。酒がほとんど飲めないドンヒさんはコーヒーを飲み、ヨンベさんと、糖尿病患者である僕は、シャブリのハーフボトルを飲む。シメとして、ヨンベさんが自分たち2人のために、僕も大好きなラフロイグを注文しているのを聞いて、思わず「あ、僕はロックで!」と言ってしまったところ、自分はストレートを指定したヨンベさんが、「ラフロイグをロックで飲むなんていうのはほとんど犯罪です」と苦言を呈する。でも僕は、ロックで飲むラフロイグが好きなのだから、しかたがないではないか。

 そんなわけで、昨日は当初想定したよりもずっと深酒になってしまった。

 ちなみに今日は、宝塚宙組公演『維新回天・竜馬伝』を観に行く。竜馬というのはつくづく、エンタメの素材として扱いやすいヒロイックな存在なのだなと思う。西郷どんの訛りがリアルすぎて、台詞が半分以上聞き取れない。徳川慶喜にまで「マイ・ソング」が用意されていることに驚く。「男の負けっぷり」みたいな歌。2部はレビューの『ザ・クラシック』-I LOVE CHOPIN-。

 貴城けい&紫城るいのサヨナラ公演なのに、なぜ「ショパン」なのか、という点は措いておくとして、今回、わかったことがある。僕はたぶん、宝塚の歌劇本体よりもむしろ、レビューの方が好きらしい。あの、あとからあとから(踊り手が)無限に涌いてくる感じが非常に好きなのだ。もう終わりだろうと思っていると、また舞台の袖から、階段の上から、ゾロゾロ涌いてくる。そしてあの、北朝鮮のマスゲームを思わせるシンメトリーな構成美。あれはずっと観ているとまちがいなくトリップさせられる。

 帰ってきたら、新潮社から次作『冥王星パーティ』のゲラが届いている。今のうちに言っておくが、この作品のタイトルは当初の『冥王星パーティー』から『冥王星パーティ』に変わった。"party"のカナ表記は、現在では「パーティ」がより一般的だとの指摘を(新潮社校閲部)から受けたためだ。発音ベースでは今でも「パーティー」が普通だと思うのだが。

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コメント

平山さんは何度も宝塚を観に行かれてるんですか?私は一度だけ友達に誘われて観にいったことがありますが、何組だったかさえ忘れてしまった失礼な奴です。でも、一度は観ておくべき価値はあると思いました。

私のときも時代劇だったのですが意外と面白かったし、レビューは豪華で「あれが有名な階段かぁ」などと感動しました。 ただ、化粧方法が同じなので、トップスターと二番手の区別が途中で全くつかなくなってしまい、私は宝塚のファンにはなれん、と思いました。(苦笑)
それでも『ベル・バラ』は観てみたいな。

投稿: | 2007年1月13日 (土) 13時56分

宝塚は、さすがに自分でチケットを求めるまではしないのですが、たまたま周囲に好きな人が多くて、年に何度かは声がかかるので、都合がつけば行くというパターンです。おっしゃるとおり、「一度は観ておくべき価値が」ありますよね、あれは。
ただ、僕自身、ときどき行くとは言っても、やはり、個体の識別に困難を感じます(笑)。よく言われるのは、「ひいきさんを1人見つければ、観に行く楽しみが増える」ってやつで、それはそうなんだろうなぁと思いつつ、そこまで入れ込む時間もないし、もう細かいことは気にせず、楽しめる部分だけ楽しもうと割り切っております。

投稿: 平山瑞穂 | 2007年1月13日 (土) 21時50分

 あけましておめでとうございます。高校で同じクラスだった者です。「"party"のカナ表記は、現在では「パーティ」がより一般的だとの指摘を(新潮社校閲部)から受けたためだ。発音ベースでは今でも「パーティー」が普通だと思うのだが。」について、私にも一言、二言言わせてください。
 雑誌や本、特に文芸書などでは、「パーティ」が一般的になりつつあるのかもしれませんが、新聞については、「パーティー」の表記の方が一般的だと思います。
 新聞の場合、差別用語の言い換えや外来語の表記など、各社とも独自の基準を持っており、朝日や読売の場合、用語のガイドラインを市販しております。http://www.amazon.co.jp/%E2%80%9905-%E2%80%9906%E5%B9%B4%E7%89%88-%E6%9C%9D%E6%97%A5%E6%96%B0%E8%81%9E%E3%81%AE%E7%94%A8%E8%AA%9E%E3%81%AE%E6%89%8B%E5%BC%95-%E6%9C%9D%E6%97%A5%E6%96%B0%E8%81%9E%E7%A4%BE/dp/4022289139やhttp://www.amazon.co.jp/%E8%AA%AD%E5%A3%B2%E6%96%B0%E8%81%9E%E7%94%A8%E5%AD%97%E7%94%A8%E8%AA%9E%E3%81%AE%E6%89%8B%E5%BC%95-%E8%AA%AD%E5%A3%B2%E6%96%B0%E8%81%9E%E7%A4%BE/dp/4120036073です。
 一方、地方紙や専門紙などの場合は、共同通信が発行している記者ハンドブック(これは市販もされております)に基づいて、表記をしており、各社の校閲部の担当者は、常にハンドブックを片手に紙面をチェックしております。http://kk.kyodo.co.jp/pb/hb/handbook.htm
 最新のハンドブックの外来語用例集によれば、「パーティ」でなく、「パーティー」ですね。共同の表記の基準によれば、『原語の語尾の「~y」は、原則として、長音符号の「ー」で表す』となっております。例外として、「アムネスティ」「アメニティ」「サンクチュアリ」を挙げております。
 ちなみに『原音の語尾の「~er」「~or」「~ar」などは、長音記号「ー」で表すのを原則とする』ともなっております。キャリアー、バリアー、プロバイダー、レギュラーなどが例として載っています。例外としては、「エンジニア」「キャリア」「コンテナ」「トランジスタ」「ベニヤ」などがあります。
 話がそれましたが、「パーティー」の話に戻りましょう。例えば、読者からの投稿で、「パーティ」とあれば、機械的に「パーティー」と直します。外部の識者の文章についても、筆者に確認をとり、できるだけ、直すようにしていますね。まあ、文壇の大御所など、言葉遣いにうるさい人については、面倒なので、そのままにすることもあるかもしれませんが。
 そういえば、共同のハンドブックでは、数年前まで、高速道路のインターチェンジについて、「インタチェンジ」と表記するのが正しいとされていました。記事を書く時は、こんな言い方はしないよなあ、と思いつつも、「インターチェンジ」を「インタチェンジ」に直していました。
 参考までにお知らせします。そうそう、話は変わりますが、池袋の東口の新栄堂書店が閉鎖していたのをご存知ですか。先日、ビルの前に行った時、建物の老朽化のため、閉店したとの張り紙がしてありました。西口の芳林堂もなくなり、喫茶店の蔵王(学生時代に、トースト食べながら、朝まで、しばしば過ごしたものでしたが)も今や別の店になったりと、池袋もすっかり様変わりですね。それでは、また。

投稿: 名乗るほどの者ではありません | 2007年1月15日 (月) 06時35分

> 「名乗るほどの者ではありません」さんは、記者さんだったのですね。
上記解説、非常によくわかりました。そういえば僕も大昔、雑誌編集者のハシクレだったことがあり、その時代には「編集ハンドブック」などというものを片手に表記の統一を心がけていたものですが、あれは「編集」と言っても何の「編集」のためのものだったのか、今となっては記憶はおぼろげです。
新聞の表記ルールにも、ときどき「??」と疑問を感じることがないでもないのですが、上記で例に挙げられているものを見るかぎり、僕にはどちらかというと、新聞のガイドラインの方が(個人的には)生理になじむような気がします。と言いつつ、「冥王星パーティ」はそのままにしてしまうかもしれませんが……。
ところで、新栄堂、そうなのですか、知りませんでした。最近寄りつかなかったのですが、それなりに規模もあり、客足も絶えない書店でしたので、そんなに早くなくなるなんて夢にも思ってませんでした。
「蔵王」、なつかしいですねぇ。今の学生はああいう種類の店を必要としていないのでしょうか……。

投稿: 平山瑞穂 | 2007年1月15日 (月) 20時53分

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