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2007年3月26日 (月)

本を捨てる

 小説を書いていると、参考文献として読まなければならない本というものがどうしても出てくる。それがたとえば『裏社会の日本史』だとか『子ども兵の戦争』だとか、そういった類いのものだったら一向にかまわないのだが、中には、「ああ、この人はこういう本を読むんだ」などと思われることがものすごく不名誉な種類の本もある。あえて何とは言わないが、あるのだ、そういう本が。

 しかもそれは参考文献として集めているものなので、1冊や2冊にとどまらなかったりする。そういう本が本棚に並んでいると、すごくイヤである。自分で見ているのもイヤだが、だれかが突然訪ねてきてそれを見て勝手にいろいろ想像したりしようものなら!

 せめてもの策として、背表紙ではなく小口の方が外側を向くように差し込んでおく、という手もある。しかしそれは、本棚として美しくない。それに、そんな風にしたらなんだか妻に見せられない秘密の(あるいは恥ずかしい)なにかなのだとでもいった印象を与えてしまう。だったらいっそ捨ててしまおうかとも思うが、いずれまた参考になるかもしれないと思うとおいそれと捨てる気持ちになれない。そうでなくても、本というのはどうも捨てるのに抵抗があるのだ。

 という話をしていたら、小学館の担当のMさんは、「私は捨てちゃいますね」と断言した。「イヤな本が自分の本棚にあるのが許せないんです。読んでみてつまらなかった本もすぐに捨てます。とりあえずガマンして最後まで読もうとはせずに、最初の3分の1くらい読んでつまらなかったら即行捨てます」。なんといういさぎのよさ。見習いたいものだ。

 と同時に、僕は思うのだ。せめて、そうして読み終えられもせずに捨てられてしまうような本だけは書くまいと。現状ではとうてい望むべくもないが、仮に売れっ子になって注文が殺到し、書けば書いただけ儲かる状況になったとしても、すぐに捨てられてしまうような小説を粗製乱造するようなことだけは決してすまいと。

 つうか、まず売れないことには。獲らぬタヌキの皮算用も甚だしい。

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コメント

おはようございますー。(^-^)
コメント一番のり!でちょっとうれしかったりします。
今日は、いいことありそう。。。

ところで、本ですが、わたしも大好きな本が
本棚にたくさんならんでいます。
友達のうちに遊びにいって、そこの本棚を見るのもすごく好き!
なんとなく、その人のセンスとか世界観がのぞけるような気がして。(大袈裟かもですが)
大好きな作家の本のコーナーを作ったりするのは、自己満足的でかなり好きです。
平山さんの本もいま、一冊だけならんでますが
これからどんどんならべますよ~

投稿: 果歩 | 2007年3月27日 (火) 07時02分

ああ、分かります。とても分かります。
そして、小生は今勉強のためにボーイズラブを購入しようかどうか非常に迷っております。
小生は基本的に買った本は売らない捨てない派でありまして(その時その本を購入した自分がいた証左でもあるので。しかし、その為実家の床は小生と父の蔵書で沈んでおります)、買ったが最後、きっと死ぬまで蔵書に残り続ける訳であり、仕事のためとは言え流石にこれは無理だでも勉強もせねばエロコメぐらいなら幾らでも買うものをぐぬぬぬぬ、となっております。


ところで、『冥王星パーティ』のサイン本を入手しました。自分でも購入していたので、これで書架には二冊並ぶ事になります。
きっと僕が死ぬまで書架のいいところに陣取り続けることでしょう。

投稿: 狷介 | 2007年3月27日 (火) 20時52分

> 果歩さん
朝7時は早いですねぇ、これは夜明かし後の7時ではなくて早起きの7時ですか? ですよね。僕はこの時間はまだ寝てましたよ(その後大慌てで準備して職場に出勤・笑)。
本棚のラインナップは、僕も絶対に見てしまうタイプです、人のうちにお邪魔したときなどに。自分がそうであるだけに、訪問される場合について身構えてしまうわけですよ。でも実際、本棚からその人の人となりのかなりの部分がわかると僕は思ってますよ。
さて、果歩さんの本棚にコーナーを作れるほどせっせと本を書かないといけないですね。がんばってラインナップを増やしますので、どうぞ気長に末長くご支援のほどを!

> 狷介さん
ああっ、ボーイズラブもちょっと恥ずかしいかも……。でも勉強のためには必要ですよね、いろいろ(何の勉強なんだか)。僕も今は鉄筋コンクリートのマンション暮らしなので(たぶん)なんら問題はありませんが、木造家屋だった実家の2階に棲息していた頃は、「瑞穂の部屋の床が軋む音がときどき聞こえる。あの本をなんとかできないのか」とよく階下の両親からクレームが来ていたものです。

ところで、えっ、サイン本って……。どこかのオークションかなんかに出てたんですか? 今んとこ、ジュンク堂池袋店でしかサイン本作った記憶ないですが。いや、いずれにせよ、ただでさえ手狭であろうところに2冊分も場所を取ってしまって恐縮です(笑)。

投稿: 平山瑞穂 | 2007年3月27日 (火) 22時18分

それは所謂一つのラップ音ですね。恐ろしい。僕は当時寝起きしていた二階の床が1センチほども沈んでいたので、慌てて幾らか階下に運んだ記憶があります。でも一度沈んだ分は元に戻らないようです(笑)

サイン本、まさにその大ジュンク堂池袋店様より、新幹線に乗って遙々名古屋に運ばれて参りました。
いずれ平山ファンの女性と、
「えっ、サイン本? どれどれ?」
「この二冊のうちどちらかだよーウウフフ」
「ちょっと、意地悪しないでおしえてよぅ」
等という遣り取りを繰り広げる予定であります。嘘です。
それにしても、素敵なサインですね。非常に趣があると思います。末永く大切に致します。

投稿: 狷介 | 2007年3月27日 (火) 22時54分

いいなぁーー サイン本。

投稿: りりこ | 2007年3月28日 (水) 00時07分

> 狷介さん
ああ、その20冊のうちの1冊だったんですね! もしかしてわざわざ取り寄せてくださったんでしょうか……。それにてしても、僕のサインは本を出すたびに少しずつバージョンアップしてると思います。最初の、「ただ名前を書いただけ」のサインからみれば少しは進化しました(笑)。

> りりこさん
もっと売れたらいつかサイン会ででも!

投稿: 平山瑞穂 | 2007年3月28日 (水) 01時15分

ああ、サイン本を買える場所に住んでいるのに、池袋がちょっと遠いという理由で買いに行かない私。狷介さん、すごいですね。お取り寄せなんて。頭が下がります。
でもね、私は平山さんから直接サインをいただきたいんです!私の名前入りで、いつか。だから許してくださいね。

作家の方の本はどのように保管されているのか興味があります。本専用の部屋とかあるのでしょうか?
実は同居している彼が週2,3冊のペースで文庫本を増やして行き、私もすごくのろーいペースですが増やしていってるので、どうしようか頭を悩ませてるんです。
ていうか、彼は床にそのまま置いているので、リビングにいくつも山ができて、部屋をきれいにしておきたい私はたまに「キィー!」となってます(苦笑)。

投稿: | 2007年3月28日 (水) 01時20分

ああ、もちろん、いつか生サインを差し上げる機会があればそのときに!

本についてはですね、昔は引っ越しのたびに思い切って処分したりして、あまり増やさないようにしてたんですが、今はもうなしくずしです。自室の壁一面が本棚(スライド式の二層型)で、すでにそれも過飽和状態。どうしたものか。これでも同業の中では少ない方かと。
それにしても、文庫本を野積み状態というのは想像するだにイヤですね。積んだ状態のまま押すと崩れそうだし。僕も家で掃除担当なので心中お察しして余りあります(笑)。

投稿: 平山瑞穂 | 2007年3月28日 (水) 01時41分

ああ、取り寄せではないです。所用で東京に行った知人がお土産にと買ってきてくれました。

……。
僕の部屋なんて野積みどころか版型構わずタワーとして林立していますよ(未読本が)。平山さんがご覧になったら卒倒間違いなしです。
あ、『冥王星パーティ』は机の上にのってますので、ご心配なく!

投稿: 狷介 | 2007年3月28日 (水) 21時26分

僕も後から、「新幹線に乗って」というあたりで、事情を想像しなおしておりました。
「冥王星」に対する破格の待遇には感謝いたしますが、狷介さんの部屋を掃除する係にはなりたくないものです(つうか設定としてありえませんけど・笑)。

投稿: 平山瑞穂 | 2007年3月29日 (木) 01時02分

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