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2007年3月31日 (土)

合理的な生活

 乾燥まで全自動でできる洗濯機を、やっと導入した。だいぶ前から考えてはいたのだが、どれを買うかなど具体的に検討するのが面倒だったり、その時間が工面できなかったりしたばかりに、延び延びになってしまっていた。これで、洗濯に関してはかなり省力化が図れる。夫婦共働きでしかも僕の方は兼業となると、やはり、家事の負担をいかに軽減するかというのは大きな問題になる。

 ところで、今回これを導入するにあたり、「洗濯」という家事のどの部分が負担感の原因になっているのかということを、初めて分析的に考えてみた。洗濯をしなければ、と思ったときに必ずと言っていいほど頭をよぎる、「ああ、めんどくさいな」というあの感じ。それはどこから来ているのか。

 汚れた衣類等の山を、柔軟剤が必要なものと洗濯のりが必要なものの2種に分け、洗濯機に放り込んで洗剤・仕上げ材をセットしてスタートボタンを押す。そこまでは、実際、たいした作業ではない。あとは脱水まで勝手にやってくれるし、その間、ほかのことをしていることもできる。問題はその後だ。

 脱水が済んで、ドラムの内壁に遠心力でへばりついている衣類を、ひとつひとつほぐしながら取り出し、干すときの、また取り込んだ後の便宜を考え、下着類は下着類、シャツはシャツ、ハンカチはハンカチ……という風に同じ種類のもの同士をなるべくまとめて重ねるようにしながら、また、靴下などはちゃんと組になるように揃えながら籠に移動させ、大量の水分を含んで重たくなっているそれをベランダまで運び、ひとつひとつの皺をパンパンと伸ばしながらピンチハンガーなどにかけてゆく。そこが重いのだ。

 それだけではない。一応、屋根つきのベランダではあるが、マンションの6階で風が強いので、干している間に雨が降ったらけっこう致命的だ。そういう天候上の問題も考慮しなければならない。また、今、洗ってしまったら、乾く前に陽が落ちてしまうが、この機会を逃したら今度いつ洗濯できるのか、といったタイミングの問題を考えるのも憂鬱だ。

 たぶん、そうしたことが一緒くたになって想起されるために、「洗濯はめんどくさい」という気持ちを抱くのだろう。

 ところが、自動乾燥機能までついている洗濯機を導入すると、そのあたりの問題がすべて解決してしまう。「洗濯」という家事において負担感を醸している部分が、ほとんどすべて消滅するわけだ。なんという素晴らしい文明の利器なのだろうか。

 そりゃあ、よく洗剤のテレビCMなどで見かけるような、「一戸建ての広い庭で、さんさんと降り注ぐ太陽のもと、真っ白いシーツやシャツなどを干す」というあのやり方で乾かした方が、イメージとしては「幸せ」な感じだ。晴れた日にたっぷりと陽光を浴びて乾いた衣類の、日なたくさい、懐かしい匂いに対する愛着にも捨てがたいものがある。しかし、そういうのは畢竟、生活形態がどうであるかという問題に左右されるものなのだ。

 とりあえず、生活領域の中でまたひとつ合理化が進んで、ほっとしている。そして僕は本質的に、こうした「合理的な生活」というものが性に合っているらしく思われる。

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コメント

新しい洗濯機。いいなぁ。。。
最近の洗濯機って、本当にすごいですよね。
音もぜんぜんしなかったりするし。
わたしのうちは、いまだに!!二層式の洗濯機なんです!
あのいちいち、脱水機に移し変えなくちゃいけない・・・というもの。
もちろん、乾燥機なんてありません。(汗)
ひとりで暮らししていた学生のときには、
全自動の洗濯機を使って、そのボタンひとつおせばよいだけの作業に
感動しましたよー。でも、いまは、また実家の二層式。。。悲しいです。
でも、実際、洗濯するのは、妹かお母さんだったりするので、文句はいえないんですが。(笑
洗濯物が真っ白にきれいになって、ぽかぽかの
太陽の下にずらーっと並んで風にゆれているところは
なんだか、自分の気持ちまでキレイになったような気がして好きです。(^-^)

投稿: 果歩 | 2007年4月 1日 (日) 06時15分

二層式ですか……(笑)。子どもの頃、母親がそれで洗濯していた姿をおぼろに記憶していますが、それはもうすごく古いタイプで、タイマーもダイヤル式のチキチキいうやつだったし、それを思うと本当に隔世の感がありますねぇ。わが家では今日さっそく妻が試運転も兼ねて使ってみてましたが、「なんと、今日の午後だけで(クローゼットなどに収納するところまで)すべて終わってしまった!」と感激しておりました。でもおっしゃるとおり、陽の光のもとで揺れている洗濯物って、それ自体ひとつの「原風景」になってるんですよね。

投稿: 平山瑞穂 | 2007年4月 1日 (日) 18時41分

私も「洗濯って面倒だ!」と思います。「全自動洗濯機がやってくれるのに何が面倒なんだ?」と考えたこともあり、やはり、平山さんと同じく、干すことや天気を考えなくてはならないのが、結局のところ”面倒”という感情を引き起こすのだと気づきました。
私は乾燥機つき浴室のあるマンションに住んでからというもの、天気に悩まされることはなくなりましたし、梅雨や花粉症の時期にも重宝します。
それでもですねー、あの干した時のにおいや風合いが好きなんです。平山さんの表現するところの『日なたくさい、懐かしい匂い』を”太陽のにおい”と名づけ、自分のブログのタイトルとしているわけなんですよ。ですからその他の季節は出来るだけ外に干してます。

ただ生活によって合理化できるところはする、というのは理解します。私はほぼ残業がない会社で働いており、帰宅後、食事を作って風呂を洗ってという生活をしております。でも、油断するとテレビを観てしまって、ほかのことができません!コンピューターにも毎日向かえてません。
平山さんのように、ブログは書くわ、コメントはマメにくれるわ、小説は書くわ、家事はするわ、というのを聞くと「時間使い上手!」とすごい尊敬しています。
洗濯を合理化して、当然ですよね。

それにしても、平山さんの家事の話(掃除だの洗濯だの)を聞いていると、主婦に向いてますよね、ほんと。将来は、奥様が外で働いて、平山さんは小説書きと主夫業(!)、ということになっていくのかしら?!

投稿: | 2007年4月 2日 (月) 00時55分

ああ、香さんのあのブログのタイトルにはそういう意味が……! そうなんですよ、それは捨てがたいものなのです。それに、死んだ無為のことを思い出してせつなくなります。家猫の毛って、いつもなぜか日なたくさい匂いがするので(特にメスは)。
「小説書きと主夫業」というのは、だいぶ前から妻が提案していることなんですが、いろんな理由からあえて兼業で踏みとどまっています。たぶん、やれば僕はかなり優秀な主夫になれると思うんですが(笑)、それは結局、どんな仕事であれ、「いかに段取りを組むか」という問題に集約されるんじゃないかなぁと思っています。時間的ロスをいかに最小化するかってことですよね。
と言いつつ僕もときどき、もう何度も読んだマンガをだらだらと読み返したりとか、すっごくくだらない時間の使い方をしてしまうことが往々にしてあるんですけども……。

投稿: 平山瑞穂 | 2007年4月 2日 (月) 01時45分

本当に、
>干すときの、また取り込んだ後
>の便宜を考え、下着類は下着
>類、シャツはシャツ、ハンカチ
>はハンカチ……という風に同じ
>種類のもの同士をなるべくまと
>めて重ねるようにしながら、ま
>た、靴下などはちゃんと組にな
>るように揃えながら籠に移動さ
>せ、
そんなことしているのですか?
下着は物干しの内側に干す(=内側のスペースには、見られて困るものは干さない→籠から手に触れたもの毎に、相応しい場所に干してゆく)、靴下は畳む時にマッチングすればいい・・・。それだけのことでしょう。かごに入れるときにそんなことをするのって、完全な二度手間・三度手間のような・・・。勿論私はそんなことをしていないし、ウチの母にしても専業主婦でしたが、そんなことはしていなかったなぁ。

投稿: 働く主婦  | 2007年4月 2日 (月) 11時58分

洗濯機から取り出すときに種類分けするのは、「からまりあった状態をそこで解除しておかないと、干す際に手間取る→どうせほすぐなら、その時点で種類別にしておいた方が、干す際に流れ作業にできてよい」からです。たとえばTシャツ類なら、それ専用の6連のハンガーみたいなものがあるので、それを干すときはその作業単位で集中できるじゃないですか。手に取ったものごとにどこに干すかを考えてうろうろする必要がありません。それに、取り込んでからも、干す時点でマッチングができていれば、ピンチハンガーから落とした後もその秩序がおおむねは生きていて、「これの片割れはどこ?」といちいち探す必要がありませんよね? その労力はどっちみち必要なわけですが、それがどの時点で発生しているかの違いで、それは趣味や性格の問題だと思います。僕はたまたま、今のやり方の方が自分になじんでいると感じるだけの話です。「完全な二度手間・三度手間」ということはないと思いますが。

投稿: 平山瑞穂 | 2007年4月 2日 (月) 13時46分

ブログのタイトルを考えるときに、自分の好きなものをいくつか挙げていきました。その中に”太陽のにおい”があり、他のどれよりもこれがしっくりいったので選びました。でも、ブログの内容は、そのさわやかさとは程遠いものになってますが・・・(^^;。
ちなみに”香”もそれにちなんでつけたハンドル・ネームなんですよ!

確かに、猫は日向ぼっこばっかりしているせいか、太陽のにおいがしますね。オスとかメスとかの違いは気がつきませんでしたが。

テレビや漫画で時間をだらだら過ごして、すごく後悔をすることがありますが(たいてい、現実逃避でもある)”無駄”もたまになら”息抜き”のひとつですよね。
私も平山さんを見習ってガンバろっと。

p.s.前回・今回とやたら長いコメントになって、申し訳ありません。

投稿: | 2007年4月 2日 (月) 18時36分

平山さん 苦労した経験から出たお言葉ですね。魅力的な男って家事も上手です。食器洗い乾燥機はお使いでしたよね? 最も家事を合理化できるものです。
お掃除のコツはね。ハンディクリーナーを数箇所においておく。汚れたなと思ったらサッとかける。大きなクリーナー引っ張り出す必要がなくなります。

投稿: りりこ | 2007年4月 2日 (月) 21時56分

> 香さん
すると、香さんは本当は「香」さんではないんですね。HNでも下の名前だけ生かしてる人とかいますけども。
その「現実逃避」ですが、あ、これ、「不機嫌な花見」の方に書いたコメントともカブるんですが、それは結局必要があってしていることなのではないかと僕は思うのです。休息が必要なので、「現実逃避」という形を取ってそれを実現させているのではないかと。だから「無駄」ではないのではないかと。って、いつもそれじゃあ何も片づきませんけどね(笑)。

> りりこさん
いつもながら相手を立てる絶妙なお言葉、ありがとうございます。いえ、別に、自分はそんなたいそうな男ではありませんけども……。
食器洗い乾燥機は大活躍してますが(導入の経緯については「シュガー」にほぼそのまま記述)、僕個人の趣味で、ときどきわざわざ手で洗ったりしてますね。なんというか、頭を空っぽにしたいときとかに。
ちなみに掃除については、ショップジャパンのテレビショッピングで宣伝している「スイブルスイーパー」をフル活用してますよ(笑)。

投稿: 平山瑞穂 | 2007年4月 3日 (火) 05時07分

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