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2007年4月21日 (土)

それはDNA

 何に感動するか、あるいはしないかは、結局のところ、DNAによりけりなのだろうか、と最近よく考える。それに反応するDNAを持っているかどうかなのだ。

 ときどき、なにかの映画(あえて何とは言わない)を観て映画館から出てきたばかりの人たちにカメラを向けて、ホヤホヤの感想を聞いて、それ自体をプロモーションにしているような例に出くわすことがある。たいていは、「すっごい感動しましたー!」「もう、泣けちゃってぇ……」「自分もこんな恋愛ができたらいいなって思いました!」など、感無量という感じで涙ぐんだり頬を紅潮させたりしている。「うっそあれで泣いてんの? マジすか?」と思うし、少なくとも自分の周囲はみんなその僕と似たり寄ったりの反応なのに、一方では手放しで「大感動!」になっている人たちがいる。

 そんな映画(あるいは小説)でも、もう展開が読めていて「あーはいはい」って感じであったとしても、とりあえず、結末まで到らないとなんとなく落ち着かない気がして、不承不承最後までつきあうハメになることがしばしばある。まさに「落ち」「つかない」。オチがつかないとスッキリしないという、ただそれだけの理由で。そしてそういう場合はほぼ100%、「あーはいはい」と思った通りの展開になる。感動できない。まったく感動できない。それでも、一方では感動して涙を流している人がいる。

 これはもう、DNAがなせるわざ以外のなにものでもない。それ以外に説明することができない。種の多様性を保つために、「いろんな人がいる」ということだ。DNAのしわざなら、もう何も言えない。ああ、あなたはそれで泣ける人なんですね、と言って引き下がるしかない。

 そしてもちろんそれは、逆の場合にも言える。

 僕の小説を読んで感動するかしないかは、DNAによるのだ。僕が意図したこととまったく逆の受け取り方を読者のだれかがしたとしても、それに対して唖然としたりムカついたりしてはいけないのだ。「え? うっそマジすか? 僕のまわりの誰もあれをそんな風には取ってないんだけど。ねぇねぇ冗談だよね?」と思うようなことがあったとしても、それはその人の、正確にはその人が持っているDNAの持つ感想なのだ。

 ……と考えると、何を言われても腹は立たない。だってそれは、しょうがないことではないですか。

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コメント

おはようございますー。(^-^)
たしかに、DNAのなせるわざ・・・と
思ってしまえば、人は、人、自分は自分・・・
とある意味わりきれそうですよね。
わたしは、ひとの顔色をすごく見てしまう
小心者なんですが、だんだん、そうゆう自分に
疲れてきて、最近は、「ああ、この人とは
たぶんわかりあえないなぁ」と
わりきってしまうタイミングがすごく
早くなってしまいました。
いいことなのか、悪いことなのか。。。
でも、精神的に楽になったように思います。
平山さんの本に対して何かいう人がいたら・・・
わたしが、ぶんなぐっちゃうぞー。(笑
では、今日も一日、気分よく過ごせますように!

投稿: 果歩 | 2007年4月22日 (日) 05時44分

そうですね、それはありますね、わりと早い段階で、「この人とはわかりあえない」と見切ってしまうこと。歳を追うほどにそれがはなはだしくなってきている気がします。それでも、それは別に、「わかりあえない」というだけであって、にこやかにやりとりできないというわけではないので、実害もありませんしね。
でもそれはそれとして「ぶんなぐり」はよろしくお願いします(笑)。

投稿: 平山瑞穂 | 2007年4月22日 (日) 13時28分

ドキ!これって私の事ではないですよネ!
私も自分の感じたままをコメントで書きまくっているので大変恐縮です(汗)。
状況が分からないのでなんていったらいいのか分かりませんが、これって致命的なんですよね。自分が一番大切にしてる事一生懸命に取り組んでいる事に対して言われる事や分かってもらえないということは、メチャクチャ
キツいというか、もしこれからも付き合っていかなければいけない人だったら困ってしまいます。
でも、こうして皆さん私も含めて平山さんの作品を愛している人がたくさんいますので頑張って下さいネ!

投稿: まり | 2007年4月22日 (日) 21時06分

ほんと、まりさんと同じくドッキリする内容ですね。心臓がバクバクしてきてしまいました(冷汗)。願わくば、私の言う感想、書くコメントが意図から大きくずれていませんように!(←私は小心者なんですよ。ほんとは。)

私は面と向かって嫌なことをいわれる機会がほとんどありませんが、平山さんのように公の場に出る人だと、意見を寄せるのは味方ばかりとは限らないのでしょうね。でも、そこで『鈍感力』(←流行の言葉を使ってみたくなっただけです)を発揮しなければなりません!そうです。「そういう考え方の人もいる」と割り切って、どんどんいいものを出していってください。応援してます!

投稿: | 2007年4月22日 (日) 22時53分

> まりさん、香さん
ここのブログにコメントをくださる方の中に、もし1人でも、そんな風に感じる感想を言っておられる人がいたとしたら、上記のようなことをそのブログに書きはしません(笑)。
いや、こういうのは程度の問題ってのがあって、「へぇ、そういう風に取るんだ」っていうのは常時あるわけですよ。著者である僕が意図していなかった読み取り方というのを提示されて驚いたりすることは。でもそれはほとんどの場合、「そうか、そういう見方もあるよね言われてみれば」と僕自身も納得できる範囲内に収まっているのです。でもたまに、ここではないところで、僕には見当違いな言いがかりとしか思えないことを言っているような人がいて、そういうのを見るとつい、上記のようなことを言いたくなってしまうわけです。
でも香さんのおっしゃるように、そんなときは「鈍感力」ですよ! ……と、自分に言い聞かせております。

投稿: 平山瑞穂 | 2007年4月22日 (日) 23時34分

あ~びっくりした!違っていてよかったです!多分、違うとは思いつつも念の為聞いておこうと・・・でもこんな事聞くなんてかえって平山さんに対して失礼でしたね。ごめんなさい。
私もかなり神経質で・・・鈍感力が必要なようです(笑)。
それはそうと「オズマガジン」発売されたのですネ!これって男性週刊誌なんですか?と聞こうと思っていたら・・・上のコメント読んで旅雑誌なんでしょうか?
「冥王星」のインタビューははじめてなので
頑張ってゲットしま~す。(ひげ面のお顔がみたいです・笑)。

投稿: まり | 2007年4月24日 (火) 01時42分

いやいや、「オズマガジン」は隔週発行の女性向け情報誌ですよ。旅行関係の記事は多いですが、「旅雑誌」というわけではないと思います。「冥王星」は、どっちかというと女性向けかと思いますので、紹介してくれるとしたら女性誌が多くなるのではないかと思います。よろしければチェックを!

投稿: 平山瑞穂 | 2007年4月24日 (火) 02時01分

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