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2007年4月22日 (日)

膨張する自分空間

 池袋と目白の中間くらいにマンションを買った友人のもとに遊びに行く。その人は一人暮らしなので、3LDKのマンションは一見、広すぎるようにも思える。しかし意外とそうでもない。

 ダイニングキッチンと唯一の和室は、一応引き戸で区切られてはいるが、開け放てば空間的広がりとしてはひとつだ。それ以外にある2つの部屋は、寝室と書庫に充てられているようだ。本はかなりたくさん持っている人なので、書庫は本だけでほぼいっぱいになっている。つまり、1人だけでも、3LDKの空間をそれなりに使い尽くしているわけだ。

 僕自身も3LDKのマンション暮らしで、僕の場合は妻との2人暮らしだ。越してくる当初は、2人だけだと広すぎるのかな、と思っていたが、住んでみるとちょうどいいような気がしてくる。狭いとは決して思わないが、さりとて広すぎるとも思わない。1人だったとしても、同じ結果になったような気がする。

 しかしもしも、僕たち夫婦に子どもができて、いずれひと部屋を子どものために割くことになったとしたら、そのときはそのときだ、という気がする。たぶん、残された空間をうまく配分して、それなりに暮らしていくのだろう。実際、同じ間取りが並ぶうちのマンションには、子どもが1人2人いる家族も多く入居している。

 要するに、生活空間というものは、1人あたりに配分される面積がどれだけあるかにかかわらず、与えられたら与えられた分だけ、違和感なく膨張していくものなのではないか、ということだ。

 僕は現在、なかば「書斎」として1つの部屋を丸々与えられており、それは恵まれたことだと思っているのだが、実家にいる頃は、事実上3つの部屋を1人で使っていた。

 どういうことかというと、もともと僕の部屋として与えられていた6畳の部屋がまずあり、その隣の4畳半の部屋を姉が使っていたのだが、ある時期(実は法的には問題があったのだが、そうとは知らず)3階部分を建て増しして、その12畳の部屋を姉が使うようになったのだ。そうすると、もともと姉が使っていた4畳半の部屋が浮いたので、僕はそこに書棚を置いて、主としてコミック類をストックしはじめた。やがて姉が結婚して家を出て行き、建て増しした3階の部屋も空いたので、僕はそこにパソコンとシンセサイザーを置いて、もっぱら打ち込み作業用の部屋にした。そうして僕は、なしくずしに3部屋を占拠することになったのだ。

 その気になれば、すべての機能をひと部屋に収めることもできただろう。しかし、空いている、そして、いつでも利用可能な空間がほかにあるなら、機能をそれぞれ分離して、それぞれの空間にあてがえば、もっと快適だ。

 しかしもしも、この上さらに、2つ3つの部屋が追加されたとしたら、どうなのだろう。夢はいろいろと膨らむ。ひとつは「飲み部屋」にしよう。バーカウンターを設けて、洋酒やリキュールを並べよう。ひとつはAVルームにして、大きなプロジェクターを設置してホームシアター状態にしよう。しかし、そういう想像力もいずれ尽きる。どうしても、使い切れない部屋が出てくるにちがいない。

 しかしまぁ、そんな余った部屋をどうするかについて悩まなければならないような立場にはまずならないと思うので、これはばかげた空想というものだろう。

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コメント

広い部屋に慣れると、狭いのがつらいですよね。自室が8畳なので、学生会館(女子寮のようなもの)で二年我慢した後は古くても2Kでバストイレ別のアパートにしました(田舎に帰る時が大変でしたが)。

23日は『オズマガジン』の発売日ですね。こちらでは火曜日かな?楽しみです。

投稿: ダレカ | 2007年4月23日 (月) 03時27分

おはようございまーす。
部屋の広さ・・・私は、いま部屋が5畳です。
妹は、6畳と8畳の二つの部屋を使っています。
なんか、不公平~~~~とも思うんですが、
実際、わたしの部屋にはベットとテレビと本棚(これが一番大きい)
しかないし、洋服は押入れの中のたんすに入っているし・・・と
5畳でも十分生活できています。
でも、数年前まで一人暮らしをしていて、
そのときは、6畳・9畳・5畳の部屋借りていました。
しかし、9畳のリビング以外には、洋服ダンスと本棚をおいておくだけで
がらんとしたまま。。。
壁の白さとカーテンのアイボリーの色が寒々としてました。(汗
友達が、「ここ病院の部屋みたい。。。」といってたのを思いだしました。
書斎って、一度でいいからほしいです~~~

投稿: 果歩 | 2007年4月23日 (月) 06時56分

それってわかります。人は与えられた空間に応じて暮らすようになりますよね。
私も今から考えるとびっくりですが、結婚して家を出るまで、つまり25歳までは団地の四畳半を年子の妹と二人で使用していました!3部屋も使用されていた平山さんはうらやましいですよ。
その後、独身に戻ったときは7畳の1Kに住み、今は彼と同居で2LDKと、幸運なことにだんだん大きくなってはいますが、最近は手狭に感じつつあります。贅沢になったなぁ。

平山さんは『シュガ俺』の映画化で当たって、バーカウンター部屋とAVルームを持てる日が来るかもしれませんよ! これを取らぬ狸の皮算用ととるか、夢を見るのはタダと思うか。でも、普通にサラリーマンをやっているよりは、実現の可能性が高い気がしますが・・・?!

投稿: | 2007年4月23日 (月) 16時55分

> ダレカさん
たしかに、「広い部屋→狭い部屋」のシフトは、最初つらいですね。でも、勤務先によって通勤時間が短くなったり伸びたりするのと同じで、意外とすぐ慣れてしまうんですよね。
「オズマガジン」は、はい、都内ではもう書店に並んでおりました。

> 果歩さん
なぜ、妹さんの部屋との間にそんな不均衡が?(笑)
ベッドとテレビと本棚があればそれだけでけっこういっぱいになってしまうのでは。
ちなみに僕も、今のマンションに移るまでは5畳の部屋に全部押し込んでましたよ。けっこう暮らせるものですけどね。書斎らしい書斎を持てたときは本当に嬉しかったですけど。

> 香さん
いや〜、四畳半を二分割はきつかったでしょう! だって、実質1人あたり2畳程度ですよね? 年ごろの女性なら服などもそれなりに持っていたでしょうし。僕の3部屋占有は、今から思うと逆の意味で信じられませんけどね。当時は、「文筆活動はこっちの部屋、音楽活動はこっちの部屋」という意識で。なんという贅沢な。
実現可能性、ありますかねぇ? まあ、せいぜいそれを目指して頑張ります(笑)。

投稿: 平山瑞穂 | 2007年4月23日 (月) 20時22分

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