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2007年4月17日 (火)

嬉しい呪い

 濃い飲みだった。

「濃い」のことを「こいい」と言う人がいる。それは文法的には誤っているのだが、心理的には非常によく理解できる。理解しないわけにはいかない。理解せざるをえない。理解せずにはいられない(しつこい)。だって、そうでもなけりゃ、その「濃さ」に対する感嘆の気持ちを、どこでアクセントとして表現すればいいのか。

 それはさておき、濃い飲みだった。言いたいことは山ほどあるが、とりあえず、今現在のこの酔っ払いの僕でも言葉にできることだけ言葉にすると、あるたいへん読書家な人が、ちっともまったくぜんぜん売れていない『冥王星パーティ』を、かなり手放しで褒めてくれたのがすごく嬉しかった。

 しかし彼女は同時に、こうも言うのだ。「あ、でも、ダメだな。あたしがこれだけいいと思うってことは、売れないな。あたしがいいと思うものは売れないんだよ」。

 呪いかよ。

 でも嬉しいのだ。呪いでも嬉しい。読書家な人が褒めてくれるのは、嬉しい。

 ほかにもいろいろ言いたいことはあるが、今の僕の能力ではそれを言葉にすることができない。今の僕でなくてもそれはできないかもしれない。できないかもしれないなのでしないかもしれない。

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コメント

おはようございますー。(^-^)
うんうん、手放しで褒めてくれている気持ち
わかります!!
私は、何回か読み直し、登場人物のそれぞれの気持ちになって
いろいろ考えてみたりして、何度も楽しみを味わわせてもらってます。
そして、物語の中のことを自分に起きた出来事と
かさねてみたりして、また深く考えてみたり。。。
本当に、私にとって素敵な小説です。
平山さんの小説に出会えてよかったなぁ・・・としみじみ思ったり。
さぁ、今日も一日に仕事がんばってきまーす!平山さんもよい一日にを!

投稿: 果歩 | 2007年4月18日 (水) 06時28分

初めてお便りします。
私も『冥王星パーティ』すごく面白かったです。書評家の藤田香織さんが幻冬舎のウェブマガジンですごくほめてらして、それで私も読んでみたのですが、彼女の言う通り、すごく面白かったですよ!
「文系女子が弱いタイプの男が出てくる」云々と書いてらしたのですが、ほんとにそうだなー、私も桜川くん好きだもんなー、望月さんはもうちょっと出世させてあげてもよかろうに、とか思いながら読みました。
これからもっと話題になると思いますよ。私もすごく好きな小説です。

投稿: リョコ | 2007年4月18日 (水) 15時02分

> 果歩さん
ほんとに、ほんとに、ありがとうございます。非常に勇気づけられます。「素敵な」小説と呼ばれるのはとても嬉しいですね。ただ単に「いい」小説と言われるより、なんかこう、素敵な付加価値がついているようで(笑)。これからも頑張ります。

> リョコさん
はじめまして。そして、読んでくださって、さらに、褒めてくださってありがとうございます。そうなんですよ、藤田香織さん、すごく褒めてくださってて。あれ読んだときは感激でちょっと泣きそうになってしまいました。ああ、今んとこ壊滅的に売れてないっぽいけど、プロの書評家で支持してくれる人もこうしてちゃんといるんだなぁと思って。
「文系女子」云々は、笑いました。そっかそういう見方もあったか、と。そしてその藤田さんのレビューを見てまた読んでくださるリョコさんのような方が現れる。その調子でじわじわとでも浸透していってくれればなぁと思っております。

投稿: 平山瑞穂 | 2007年4月18日 (水) 21時55分

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