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2007年4月26日 (木)

Zuckerな俺

 角川書店「野性時代」編集部のAさん(アイドルの水星ららちゃん好き)、そんなAさんを「男ってほんとにバカね」と呆れマナコで見守る書籍編集部のTさんと、代々木のタイ料理屋で辛い料理を食べながら打ち合わせ。先日「野性時代」に掲載していただいた短編『桃の向こう』を皮切りとした今後の不定期連載について、大きな方向性のようなものを話し合う。

 グランドデザインのようなものがだいたい見えてきて、もう今すぐにでも書き始めたい気持ちでいっぱいなのだが、その前に片づけなければならない目先の課題は山積しているので、そういうわけにもいかない。大人はいろいろ我慢しなければいけないのだ。

 あいついで発表された『冥王星パーティ』と『桃の向こう』にはいくつかの共通点があるが、登場人物がなんらかの「屈託」を抱えているという点が最大のポイントなのではないか、という話になる。そして、考えてみると、出版業界に身を置いている人たち(特に編集者)というのは、たぶんほとんどが、なんらかの意味での「屈託」を抱えた人生を送ってきたのではないか。だから、編集者の人たちにそれらの作品の受けが概していいのも当然なのではないかと。

 一方、帰宅したら、ドイツからエアメールが来ている。このブログでも少し触れたことがあるが、大学で日本文学を教えていた父親のかつての教え子で、現在は祖国ドイツで偉い日本学のドクターになっているH・Bさんという人が、『シュガーな俺』に関心を持っていると知って1冊EMSで送っておいたのだが、それに対する礼状だった。

「1ページ目を翻訳してみました」と本文に書いてある。かつて『ラス・マンチャス通信』の冒頭部分をドイツ語訳して送ってくれたという経緯があるので、今回も同封してくれたのかなと思ったが、それは入っていない。なんとなく、入れ忘れたのではないかなという気がする。だとしたら残念だ。ちなみに、「糖尿病患者」をドイツ語では"Diabetiker"(ディアベーティカー)という。「糖尿病の」という形容詞は、"diabetisch"(ディアベーティッシュ)だ。おお、ドイツ語って感じだ。

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コメント

おはようございまーす。(^-^)
昨日は、夕方、ちょっと雪がふりました。
びっくりー。
ところで、登場人物が『屈託』をかかえているという話。。。
屈託がない人ってうらやましいなぁ・・・とひそかに思っています。
わたしは、まわりから明るく元気な人って思われているみたいですが
『屈託』のかたまりのように自分では思います。
きっと、病気的に神経質的な性格だった父と
ちょっとかわった母親の血を半分ずつうけついで
いるんだろうなぁと思って、そんな自分も大事にしてますが。(笑
『シュガーな俺』の翻訳!素敵ー!
絶対、ほかの国の人にも読んでほしいなぁ。
なんか、いろんな意味で、興味深いって思います!!
今日は、快晴!いいことがありますように!

投稿: 果歩 | 2007年4月27日 (金) 06時18分

両親が筍掘りに行っているのをいいことに、昼近くまで布団でごろごろ。

「屈託」ですか。思わず辞書で確認してしまいました。誰しもが持っている傾向でしょう。あまりにも能天気だと、人生意外なところで、踏み外しそうだし。
かく言う私も、「屈託」の塊。
いつもくよくよしては、母親にウザがられています。ま、これも私の持ち味かな!と強引に思うようにしています。そうじゃないと、押し潰されちゃいそうだし。
要は程度の違い、ということで。

上、二作品を読んでない者が、偉そうにいえませんが。というか、未読で悔しいです。
せめて、『シュガーな俺』を手に入れるべくいざ、図書館へ。

P.S平山さんの「やる気」がビンビン伝わってきて、今後がとても楽しみです。

投稿: 榊 みやこ | 2007年4月27日 (金) 14時36分

遅ればせながら『冥王星パーティ』を購入し、昨夜読み終わりました。Amazonから届き、期待が膨らむ中、帯に書かれている言葉にひきつけられました。
「あれは間違いなく、一つの分岐点だったと思うのです。でも、どっちの道を取るのが良かったのかなんて、たぶん永遠にわからない。」
この文章を読んで、二十代の頃の恋が思い出されウルウル。本文を読む前からこんな感じの私でしたが、最後まで読んで、爽やかな風が吹いたというか……。元気に前向きに、という気持ちになりました。
祥子さんからの桜川君への手紙を読みながら、今でも大切に思っている、結婚前にお付き合いをしていた人の言葉が重なりました。
今は、大切にしてくれる優しい主人がいますが、それでも、もし彼と結婚していたら、どんな人生だったのかしら?と思ってしまいます。(なんて贅沢なのでしょう、私)
ところで、祥子さんは手書きではなく、あえてパソコンで手紙を書いたのでしょうか?これは、桜川君に対して距離を置いているということの表れと思ったのですが?
私は万年質が大好きで、手紙といえば万年質の手書きなので、とても気になったのです。
もっと、上手に感想が書けるといいのですが、昔から大の苦手で…。
でも、これだけは言えます。『シュガーな俺』と同様、『冥王星パーティ』が、私の大切な一冊になったことは間違いありません。


投稿: えぞりす | 2007年4月27日 (金) 16時59分

間に合ってよかったわ、ホッ!
万年質ではなく、万年筆です。間違えました。

投稿: えぞりす | 2007年4月27日 (金) 19時12分

raum18 ist Diabetikerin!
(ドイツ語Zuckerに反応しちゃいました)

女性の患者さんなら、Diabetikerinですね~
なんとなくですが「-rin」という音の響きがちょっとカワイイ。

前に、ドイツ語での糖尿病関連用語をいろいろ調べてしまいましたが、
砂糖は男性名詞、注射は女性名詞、インスリン・HbA1cは中性名詞でしたよー。
相変わらず、訳が分からないドイツ語です。

投稿: raum18 | 2007年4月28日 (土) 00時06分

> 果歩さん
北海道でもさすがに今時分に雪というのは珍しいのですよね? こちらでも気温は不安定ですが……。
果歩さんはいつもとても明るいですけど、実は「屈託のかたまり」というのは、なんとなくわかります。すごく明るい人って往々にしてそうだったりするので(笑)。
「シュガー」、韓国語訳の方は着々と進んでいるみたいですよ。

> 榊みやこさん
もちろん、程度の問題でしょう、「屈託」は。それにこの言葉は、普通、「屈託がない」と否定形で使うではないですか。誰にでも「屈託」が「ある」ことを前提にしているわけですよね、どちらかというと。ただ、誰にでもある中で、やっぱりあきらかにそれが多い人とそうでない人には分かれそうな気がしますね。
ところで、なんだかよくわからなくなってしまったのですが、もしかして以前榊さんが、「著書名を間違えてしまった」とおっしゃったのは、図書館で読まれたというのが『冥王星パーティ』ではなくて、僕の別の本だった、という意味だったのでしょうか??

> えぞりすさん
えぞりすさんが書いてくださる感想は、いつもていねいで、思いがよく伝わってきますよ。
「分岐点」って、きっと誰にでもありますよね。そのときにはそれがそうだなんてことはわかってなくて、後になってから気づくのでしょうけど。そして、たぶん誰もが、「もしもあのとき……」という想像を1度や2度はめぐらしたことがあるのではないかと思います。もちろん、僕もそうですよ。
「シュガー」とはかなり趣の異なる作品ですが、今回も気に入っていただけて、とても嬉しいです。
ちなみに万年質……ならぬ万年筆は僕も大好きなんですが、祥子がパソコンを使ったことにそこまでの意味を特にこめてはいませんでした。今現在の自分がだれかに手紙を書くとき、手書きで書いているとたいへんなので、署名以外は普通パソコンで書いているという、それがただ祥子の行動にも反映されただけだと思いますよ(笑)。

> raum18さん
Ach, so! ドイツ語やってらしたんですね。僕はDeutchはちょっとかじっただけなんですが、なんかこう、シャクシャクした硬質な音感がなかなか好みです。でも女性形の"-rin"はたしかに可愛いですよね。「アルバイター」も「アルバイタリン」ですね。
それにしても、名詞の性ってのはほんとにワケがわかりません。フランス語とかもそうですよね。

投稿: 平山瑞穂 | 2007年4月28日 (土) 03時30分

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