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2007年5月29日 (火)

パリ風スパムライス

 妻が一昨日、昨日の夕食のためにあさりを買ってあったのだが、昨日は諸般の事情で夜が外食になってしまい、あさりを消費することができなかった。もったとしてもたぶんギリギリ今日まで、しかし今日は妻の方が遅くなるので、僕が使わないとムダになる。だったら今日は、自分1人のためにあさりのワイン蒸しでも作ろうと思った。

 それで会社帰りにデパ地下に寄って白ワインをゲットし、帰ろうと思ったところ、先日、まずいウインナー缶を購入した売り場の前を通りかかり、ついスパム缶を買ってしまった。このブログで、そのウィンナー缶と並び称すべき存在としてスパム缶について言及したら、何人かの読者の方々から思わぬ「スパム擁護」の論陣を張られてしまったのを、なんとなく頭の片隅で意識していたのだ。

 そんなわけで今日は、ニンニクをきかせたあさりのワイン蒸しとサラダにスパムライス、という不思議な夕食になった。スパムライスというのは、僕が勝手に名づけた。要するに、あったかいごはんの上に、薄切りにして油を引かないフライパンで軽くあぶったスパムを乗せただけの代物である。「スパムにぎり」がうまいというご意見も頂戴しているが、あったかいご飯と相性がいいとも聞いていたので、さしあたってそっちを試してみたわけだ。

 うまい。単体で酒のツマミ風に食べると塩気が強すぎるが、ごはんと一緒に食べるとそれがほどよく中和されるし、脂っこさも気にならない。「ジャンクな感じ」は否めないが、ハナからそういうものだと思って食べればそれもまたよい。ただ、ワイン蒸しのために買った白ワインの残りもついでにグラスでちょっと飲んだので、トータルとして見た場合、かなり異様な食卓になっていただろうと思う。ああ、画像を撮っておけばよかった(僕にはどうもその手のマメさがなくて、そのせいでこのブログはほぼいつもテキストで黒々とした圧迫感のある見かけになってしまっているのだ)。

 しかし、それでふと思い出したのは、パリでときどき見かける、焼鳥などを食べさせる庶民的な日本料理店の話だ。数年前にパリに旅行に行ったとき、何度か街なかで見かけていながら僕自身はついに入らなかったのだが、パリ通のある知人が言うには、そういう店に入ると、「焼鳥定食」を注文した現地の人が、当然のように串から鳥肉を全部引き抜き、ライスの上に乗せて、たれと混ぜ合わせながら食べているのだという。

 そういう食べ方は、日本人から見れば奇異だが、東南アジアではけっこう普通な気がする。タイ料理店でもミャンマー料理店でも、よくそうやって、調理した肉類をごはんにかけて食べる形式の料理を見かける。考えてみればフランスは、ベトナムの旧宗主国だ。もしかしたら、ベトナム料理からの連想で、彼らは焼鳥定食をそのような形で食べるのかもしれない。

 その話を聞いた後、実はちょっとうらやましくなって、一度、自分でそれを試してみたことがある。近所の屋台でおじさんが売っている焼鳥を何串か買ってきて、平たい皿の上によそったごはんの上に、串から外した鳥肉を散らし、全体にたれをかけて食べてみたのだ。うまかった。焼鳥のこんな楽しみ方があったのか、と目からウロコの落ちる思いだった。

 今日のスパムライスは、それの応用だったとも言える。これで汁気があったら、もっといいのかもしれない。スバムはまだ大量に残っており、そして妻はおそらくまったく興味を示さないので、残りでいろいろ試行錯誤してみようかと思う。

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コメント

きゃー!!早速試してみてくださったんですね。パソコンの前で、一人興奮しています。
そして「うまい」といってくださってありがとうございます。
「絶品です!」と書いたものの、やはり好みですから多少不安だったのですが・・。
平山さんが感動するほどではないにしても、前の「まずい」という印象を拭い去っていただければ、それで私の使命(?)は果たされました。そう、ジャンクフードなんですよね。アメリカの味。
だけど炊き立てご飯に載せたり、おにぎりにしたりというのは、アメリカと日本のグッドな融合ですね。(ちょっと意味不明)

今度は、ぜひおにぎりにしてみてください。握ったご飯と、のりをちょっとまくだけで、スパムをただご飯の上に乗せたときと違ったおいしさが味わえると思います。

後のメニューのヒントとしては、沖縄では、ゴーヤチャンプルーに豚肉ではなくスパムを使います。
これについて、恥ずかしながら、私の書いたうんちくをちょっとご紹介させていただきます。
http://shizu-chan.cocolog-nifty.com/taiyononioi/2006/11/post_7810.html

投稿: | 2007年5月30日 (水) 00時30分

先日飲みに行った焼鳥屋では「焼き鳥丼」という立派なメニューがありましたよ! 小生初めてだったので(初めて遭遇した、の意)おっかなびっくり注文しましたが、なかなかどうして普通に美味しかったです。
ひょっとしたら、平山さんの仰るような東南アジア的食文化が日本に持ち帰られて、あの小さな肉片達を長きに渡った竹串の軛から解き放ちつつあるのではないでしょうか?
だとしたら、近年の温暖化に伴って、気候と共に食物も熱帯化しているというトンデモ学説を唱えられるかも知れませんが、しかしその食文化の変遷すらも地球の長い歴史からすればほんの一瞬なんですねぇ(まだ先日の話を引きずっている)。

投稿: 狷介 | 2007年5月30日 (水) 01時32分

> 香さん
はい、試してみました。おかげさまで、ジャンクでおいしい夕食を楽しむことができましたよ。いや、もともとジャンクなものには弱いんですよ、ああいうアメリカっぽいやつ。それをごく自然に料理に取り込んで、ずっと昔からそうだったみたいな顔をしている沖縄の人はやっぱりすごいなと思いました。ブログの方も拝見しましたよ。スバム入りのゴーヤチャンプルーは一昨年の暮に沖縄に行ったとき現地で何度か食べたと思いますが、「肉」部分にそんな変遷の歴史があったとは。
今度はおにぎりに挑戦します。……なんかヨダレが垂れてきました(笑)。

投稿: 平山瑞穂 | 2007年5月30日 (水) 01時34分

> 狷介さん
「焼き鳥丼」! なるほど、その手がありましたね。というか、そもそも丼ものというのは、「肉類 on RICE 」という食の形式の日本版として存在していたよなそういえば、と今気づきました。その意味では、日本もやはりまちがいなくアジアの一部なのだなとも思いますし、そうかといって焼き鳥から串を取り除いたらそれはもはや「焼き鳥」ではないだろ、とも思います(笑)。
しかし逆に、本格的な氷河期が到来したとしたら、世界中の人がイヌイット的な食生活に適応していかざるをえなくなりはしますまいか(つられて話題が遡っている)。

投稿: 平山瑞穂 | 2007年5月30日 (水) 01時41分

おはようございまーす。
スパム丼、なんか読んでいるだけで
おいしそーーーと思ってしまいました。
白ワインであさりの酒蒸しを作るのもなんだか
おしゃれ・・・と思ったり。
全体のまとまりは、ともかくおいしのが一番です!!
ところで、焼き鳥というと、わたしの町にハセガワストアというコンビニがあり
焼き鳥弁当が有名なんです。
でも、鶏じゃなくって、豚のばら肉の串焼きに甘辛いタレをたっぷりつけて
ご飯にのりがのった上にのせてできあがり
というものなんですが、このシンプルなお弁当がすごくおいしいんですよ。
豚肉は、串からはずしてご飯とたれと混ぜながら食べたりするので
平山さんの日記を読んで、つい思い出してしまいました。
ああ、それにしても、スパム・・・食べたいです。(^-^)

投稿: 果歩 | 2007年5月30日 (水) 06時48分

蛇足ながら付け足しをさせていただきます。おにぎりにしたとしても、スパムも温めた(焼いた)方がいいと思います。温かくないスパムはきっと、脂の塊を食べているような気になるのではないかと・・・。

そして僭越ながら、スパムにぎりについても書いた記事をご紹介します。

http://shizu-chan.cocolog-nifty.com/taiyononioi/2006/12/post_357d.html

ここで紹介したように、卵焼きを一緒にはさんでみたら更においしいのでは?
”油ミソ”というのは東京では手に入らないと思いますし、作るのが面倒そうです。普通のミソでも代用が聞くのかわかりません。
でも、私が家で作ったときには”スパム+ご飯+のり”で十分おいしかったです!

マヨネーズ・ツナと炒り卵の組み合わせも悪くはないのですが、肉+魚肉+油(マヨネーズ)となって多少しつこい気がしてしまいます。

スパムばかりに言及してしまいましたが、本当は”焼き鳥をのせたごはん=焼き鳥丼”というのにも、実は大変惹かれてました。私”どんぶり物”って大好きです。やはり”どんぶり”の醍醐味は、たれやツユの染みわたったご飯ですよね。
ああ、たぶん(今日は飲み会なので)、明日の夕飯は焼き鳥丼になると思います。たれを自分で作ってみようかしら。
お腹減った~。

投稿: | 2007年5月30日 (水) 12時02分

スパム丼、美味しそう。
明日にも作りたい勢いです。
平山さんがスパムの美味しさに開眼して、よかったー!
スパム同盟、ここに結束(笑)
丼ものって、いろいろバリエーションあつていいですよね。手軽に作れるし。
某料理研究家の「5分で作って5分で食べれるトマたま丼」というのがあります。

1・冷凍したご飯を、電子レンジで温める。
2・トマトはへたを取ってざく切り、ニンニクは薄皮をむき、粗みじん。
3・温まったご飯を丼に移し、オカカご飯を作る。(しょう油をたらす)
4・フライパンにニンニクとごま油を入れて、火にかける。ニンニクの匂いが立ち始めたら、トマトを入れる。
5.卵に塩、こしょうを加えて溶きほぐし、トマトの上から回しかける。好みの固さになるまで大きくかき混ぜたら、オカカご飯の上に乗せる。

平山さんがトマト好きでしたら、是非お試しあれ。私はトマトに目が無いっス。

投稿: 榊 | 2007年5月30日 (水) 19時32分

> 果歩さん
豚バラ肉の串焼きなのに「焼き鳥弁当」とはこれいかに(笑)。でもそれ聞くだにおいしそうですよね。近所のコンビニでたまに(運がよければ)「豚カルビ弁当」ってのをゲットできまして、それがごはんの上に敷き詰めたカルビからの脂がほどよくごはんに染み込んでいてうまいのですよ。それをちょっと思い出しました。ハセガワストア、関東圏にも進出してこないかなぁ。

> 香さん
温めていないスバムはたしかに、ラードの塊を食べているみたいな感じがしますね。ブログで紹介しておられるスパムにぎりも、レンジで温めてくれるわけですよね。沖縄に行ったとき何度か現地のコンビニにも入ったんですが、まさかそんなものが存在するとは知らず、おにぎりコーナーとかに寄らなかったので気づかなかったですねー。今度機会があれば。つうか、自分で作ります(笑)。
「丼もの」は、日本が誇るべき素晴らしい食文化のひとつですよね。スパム丼だったら"Spam bowl"とかいってアメリカにも広められそうですね。

> 榊さん
トマトたまご丼、うまそう〜! いや、今レシピ見ながら真剣にヨダレが垂れてきました(笑)。僕はトマトも大好きですしニンニクも大好きですしタマゴも大好きですので、あ、ちなみに言うとおかかも大好きですので、この料理が嫌いなはずがありません。しかも野菜も同時に摂れるので糖尿病的にもGood!(って、今さら取ってつけたようですけど) 近々ぜひ試してみます。
トマトうまいですよね、ときどき「食感がダメ」という理由で苦手な人いますけど。

投稿: 平山瑞穂 | 2007年5月31日 (木) 01時20分

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