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2007年5月21日 (月)

子どもの恐怖

 昨日就寝前に、実業之日本社向け書き下ろしを結局ちょっと書きはじめてしまったため、頭が冴えてしまってなかなか寝つけず、朝方ようやくまんじりしたときにすごくめんどくさい内容の夢を見た。なにかの必要があって、英文を作成している。その中で、「甘党としては現実的」という表現をどうしようかと悩む。「甘党」という言葉は、その夢の中では"sorbitist"だということになっている(どうやら、甘味料の名称からの連想らしい)。だから全体では、"sorbitistically realistic"でいいのかな、と考えている。そこで目が覚めた。ちっとも休息を取った気分になれない。

 さて、夕食を摂る間、BSで「BBC地球なんとか」という番組を観ていた(すでにお気づきのことと思うが、僕はたいていの場合、その日見たものでさえ番組名を覚えていない)。そこで、氷河がいかにして動いているかを、映像の早送りで示しつつ、「2万年前の地球は氷河時代でした」というナレーションを流していた。

 それを聞いた瞬間、僕は思い出したのだ、自分が小学生の頃、「地球は再び氷河に覆われる!」とかいう記事を子ども向けの科学雑誌かなにかで読んで、夜も眠れないほど怯えていたことを。

 というのも、その記事はなんだかやたらと扇情的な書き方をしていて、「ある科学者によれば、1979年には地球は再び氷河期に入るという」みたいな内容で、1979年というのはほんの数年後だったのだ。どうしたって逃れようがない。「氷河期になっちゃう、怖い、怖いよう!」と夜中に泣き出して、父親にさんざんなだめられてようやく眠りに就いたりしていたのだ。

 今となっては、その記事の信憑性がいかほどのものだったのか確認のしようもない。ほとんどガセだったという可能性もある。しかし、「1979年には地球は再び氷河期に入る」というのが仮に事実であったとしても、そんなの実は憂慮すべき事態ではないのだということは、そのときだって冷静に考えればわかったはずだ。

 いつから「氷河期に入る」と見なすかは解釈の問題であって、実際に「氷河期に入」ったとしても、入ったその瞬間に地球上が氷で覆われてしまうわけではない。それは何百年・何千年というスパンで徐々に変化していく性質のもので、僕がこの世で生きているたかだか100年にも満たない期間には、事実上、何も変化が起きていないに等しいだろう。現にあれから30年ほどが過ぎ去った今も、外は氷に覆われるどころか、むしろ地球温暖化で平均気温は上昇しているほどだ。

 そう、それだ。「再び氷河期に入る」とか言っておきながら、同時に地球温暖化が進んでいる。そのことにはいったい、どういう説明をつけるつもりなのか。小学生の頃よりはだいぶ冷静になった僕は、今日の番組のどこかでそのことに対する明瞭な説明をしてくれないものかと期待してナレーションに耳を傾けていたのだが、提示された説明は以下の通りだった。

「地球は再び、氷河時代に突入するかもしれません。しかし現在、地球は、温暖化で気温が上昇しつつあります」

 それだけかよ!

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コメント

そういえば僕も数年前、「どこやら沖の深層海流の沈み込みが減って云々」で再び氷河期が来るかも知れないぞというようなドキュメンタリーを見た記憶があります。何だか尤もらしいデータも示されていた気がします。
そしてこちらはそれより後のことですが、「地球温暖化で海抜数メートルしかないどこやらの島が沈む!」というドキュメンタリーを見た事を覚えています。数年間で波打ち際が島の中心に向けてかなり後退し、その近くに住む老人がマイクを向けられて「いざとなったら島の中心部にある知人の所に避難させて貰うから大丈夫」と語っていました。


ともあれ、今後は程なくして夏が来て、その次に秋が来て、そして冬になると思います。これは僕が完璧なデータを元に、絶対の自信を持って断言しますので、いい加減な予想とは訳が違います。(地軸がずれたりしない限り)外れることはありませんので、ご安心下さい。

投稿: 狷介 | 2007年5月22日 (火) 01時37分

おはようございまーす。(^-^)
こうゆう恐怖ってありますよね。
子どもころに、そうゆうことを聞くと
真剣に怖くなりますよね。
ノストラダムス系の予言で1999年に地球が
滅びる・・・みたいなのも真剣に怖かったです。
わたしの町では、あと30年以内に震度7くらいの
地震がくる予定らしくって、それが今は、恐怖。。。
その予想本当なの???ってかなり不安になります。
大人になってもいろんなことが怖いなぁと
つい考えてしまいました。(汗

投稿: 果歩 | 2007年5月22日 (火) 05時31分

関係ないのですが、私は小学生の頃、非常に怖い夢を見て、親に「眠るのが怖い」とだだをこねたことがあります。
その夢は、自分があるガンに侵されてもうすぐ死ぬ、という夢で、もう一度眠ってしまったら死んでしまう、と思い込んで泣き喚きました。
もちろん、そんなことはありえないことで、親に説得されて寝ました。が今でも覚えている、ということは何か意味があったのかなと思います。

投稿: nao | 2007年5月22日 (火) 16時46分

> 狷介さん
そうなんですよ、どっちなんだという。しかしそんなことで憂えているのも結局われわれが地球そのものの歴史から見れば無に等しいほど短い命しか持っていないがゆえなのでしょう、きっと。「どっち」なのかなんてことが問題にならないスケールで動いてるんでしょうね、大自然は。
さしあたって僕は、きわめて人間的なスケールで、もうじき夏が来るという狷介さんの予測をあてにして日々を送ることにいたします(笑)。

> 果歩さん
ああ、ノストラダムスの大予言は僕も怖かったですよ。しかし思うに、1999年以降に物ごころがついた子どもさんたちとかって、どう思うんでしょうね。1999年の予言はみごとに外れたわけで(笑)。
しかしその、「30年以内に震度7」っていうのも、どうなんでしょうね。ノストラダムスの予言よりは確度が高そうですけど、「関東直下型地震70年周期説」とかいうのを真に受けていた僕も、一向にそれが訪れないので「あれれ」と思っていたところです。

> naoさん
それはさぞかし怖かったでしょうね。しかしそれを今でも覚えているのは、単にものすごく怖かったからなのでは? 僕も子ども時代に見たいくつかの怖い夢は今でもありありと覚えてますよ。いちばん怖かったのは、ある暗い部屋を覗いたら母親が無言で立っていて、でもそのサイズが天井に届くほど巨大で、「目を合わせちゃいけない」と思った、という夢ですかね。あれは怖かった。今思い出しても怖いです。なんだか、精神分析とかの材料になりそうな夢ですけど(笑)。

投稿: 平山瑞穂 | 2007年5月22日 (火) 20時02分

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