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2007年5月23日 (水)

楽しんだ代金

Wiener

 ワインのおともにチーズでも、と思ってシェーブルやら白カビチーズやらを物色しているとき、たまたま近くの棚にあったこれが目に止まり、なぜか抗いがたい衝動を感じてつい一緒に買ってしまった。

 見るからにまずそうである。

 パッケージからしてだいたい想像はついていたのだが、蓋を開けてみると、なんというのか、パテ状にすりつぶしたなにかの肉(なんの?)を押し固めて、指のような形に成型した上でザクザクと切断したようなものが入っていて、黄色っぽい脂ぎった汁にほぼ上まで浸っている。しかもそれが、垂直に隙間なく並んでいるので、取り出すのに難儀する。とにかくどれか1本を力ずくで引き抜こうとすると、柔らかいのですぐにボロボロと崩れてしまう。缶から取り出すためには、必ずどれか1本が犠牲になるようにできているらしい。

 ウィンナー・ソーセージというより、皮をむいたウィンナーの水煮、と呼んだ方が近い。

 その色合いや質感、簡単にくずれてしまう柔らかさ、また、缶を開けた瞬間に漂ってきた匂いからして、それに最も近い既知のものは、モンプチの猫缶だと思った。それも、牛肉などをパテ状にしたやつ。去年の秋に死んだ無為は、当初このタイプの缶詰が好きではなかったのだが、ほかのものに飽きてきたあたりでたまに出すと、目新しさが食欲をそそるのか、そのときだけは貪るように食べていたものだ。それに酷似している。

 食べてみたところ、まずい。まったく見かけどおりにまずい。無為が食べていたパテ状のモンプチに、塩味だけつけた感じだ。もちろん、僕は実際には、モンプチを自分で食べてみた経験はない。しかし、きっとそれは、この「ウィンナー・ソーセージ」から塩味だけ除いたようなものであるにちがいない、と確信した。

 とにかく、缶から取り出す際にいくつかの破片に分かれてしまった1本だけはたいらげたが、残りを最後まで食べ切れる自信がない。もったいないから食べようと努力はするだろうが、なんとなく、「今日はやめておこう」「明日食べればいい」と先延ばしにしているうちに、結局ダメにしてしまいそうな予感がある。

 バチ当たりな話だが、まあ、これを買った¥140(安い!)は、店の棚でこのパッケージを見た瞬間に感じた「あ、なんかこれ食べたい!」という衝動と、それを満たした瞬間のワクワク感を楽しんだ代金だった、ということにしておこう(実は以前、「スパム」の缶詰でも、僕はまったく同じことをやらかしている)。

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コメント

おはようございまーす。(^-^)

「見るからにまずそうである」というところで
噴出してしまいました。(笑  たしかに・・・。(笑

でも、チャレンジしてみたんですね!
指みたいなという表現がすごくリアルに想像できて
こわかったー。(汗
でも、外国の缶詰とかは、パッケージがかわいかったり
おしゃれだったりするから飾っておくだけでもいいかも。(^-^)
ところで、沖縄でよく売っているスパム缶ってしってますか?
わたしは、去年初めて沖縄にいってスパムおにぎりを食べて感動し、
調子に乗ってスパム缶をたくさん買ってきてしまい、いまだに在庫があります。。。
おいしいんだけど。。。買いすぎました。。。(汗

投稿: 果歩 | 2007年5月24日 (木) 06時23分

スパム、お嫌いなんですか?!
私は好きですよ(^^)。でもカロリーが高いのと、値段も高いのとで、あまり食べませんが。
ただ、あれは酒のつまみにあのまま食べるという代物ではないですね。しょっぱすぎるし、脂っぽ過ぎます。
おすすめは、炊き立てご飯(←これがミソ)に1センチ弱にスライスしたスパムを載せて食べるというもの。絶品です!ノリなんかで巻いてもいいかも。まさに、果歩さんのいうスパムおにぎりです。
それでも、嫌いな人にはダメなのかもしれませんね・・・残念ながら。

ところで、この手の瓶詰め・缶詰のソーセージというものは私は食べたことがありません。その、まさに”まずい”であろう事が容易に想像できてしまうからです。
でも、一回は試してみてもいいかもしれないと思いました。「おー、このまずさが平山さんの言っていたそれかぁ」なんて楽しみ方ができるかもしれませんから。
それに、ここ最近の商品というわけではありませんから、やはりマニアがいるロングラン商品ということですよね?!
余談ですがHormel社って、まさにSPAM の製造メーカーではありませんか。

投稿: | 2007年5月24日 (木) 14時57分

> 果歩さん
最後の1文に実はちょこっと書いてるんですけど(笑)、まさにそのスパム缶で同じ失敗をしているのです。似た衝動に駆られて買ったときが、食事療法を厳密にやっている時代でしたので、「脂っぽい肉」ってことでベーコンとかと同じ扱いにして、フライパンで軽く火を通してからパンに挟んで食べたりしたんですが、脂臭さばかりが鼻についてしまい、1回で挫折。(食事療法的観点から見て)大量に残った分は小切りにして冷凍しておいたんですが、どうしてもその後食べる気になれず、ある日見たらもうダメになってました……。
でもきっと、「食べ方」が悪かったんだと思います。その後沖縄に行ったとき、向こうでは米軍の影響でごく普通に日常の料理の中に食材として溶け込んでいるのを知り、「そうか、こういう食べ方が!」と遅ればせながら気づいたのですよ。

> 香さん
というわけで、上記、果歩さんへのレスに書いたとおりです。不幸な出会いだったわけですね(笑)。でもごはんとセットで食べればイケそうなんだってことがよくわかりました。あの塩気と脂がほどよくしみこんでいい感じになりそうですね。機会があれば今度はそういう形で再チャレンジしてみます。
なぜだか僕は昔から、こういう意味での「ジャンク・フード」に弱いんですよ。頭の悪そうなアメリカの兵隊とかが野営地でニチャクチャ食ってる姿とかを想像すると妙にそそられるものがありまして(ド偏見)。しかも、そうです、そのとおりです! Hormel社はスパムのメーカーです! 言われるまで気づいてませんでしたが、さもありなん。どうりでなんだか似たようなチープなセンスを感じました(※褒め言葉です)。

投稿: 平山瑞穂 | 2007年5月24日 (木) 20時50分

見るからにまずそうなのを、あえて選びますかねー?平山さん、チャレンジ精神旺盛ですね。
私は逆に、ジャケ買い。
大抵、食品のパッケージ写真って、七割増くらいは美味しそうになっているものでしょう?
馬鹿だから、それにつられてしまうのです。
もう、味まで妄想しちゃって。
当然、食べてがっかりです。

食べ物って、舌で味わう以上にイメージで捉える気がします。きっと、平山さんが感じた
「抗いがたい衝動」というのも、それに起因しているかも知れませんね。

蛇足ですが、スパムむすびは最高な和洋折衷な食べ物です!ああ、よだれが。

投稿: 榊 | 2007年5月25日 (金) 21時12分

> 榊さん
「まずさを楽しむ」っていうの、ありませんか? 先日の日記で触れた、「学食のまずい冷やし中華」もそうです。いや、僕もふだんは、パッケージがおいしそうでなければ買いませんけどね、「おいしさ」を素直に求めてるときには。でも、「これはまずそうだ」と思って買ったら思ったとおりのまずさだった、ってことは、「期待」は外れていないわけで、やはりパッケージは大事なんだと思います(笑)。
スパムむすび、猛烈に食べたくなってきました。近々トライしてみます。このウィンナー缶を売ってる店に一緒に並んでましたので。

投稿: 平山瑞穂 | 2007年5月26日 (土) 18時58分

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