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2007年6月 7日 (木)

校正は校正のために

 今日公開された「ココセレブ」のインタビューだが、一応、ダメ押し的にリンクを貼っておくことにした。

  ココセレブSpecialインタビュー

 会社帰りに取材を受けたのでこういう服装なのはしかたがないとしても、あいかわらず、作家というよりはどこぞの銀行員か、もしくは金融系シンクタンクの主任研究員といった風情だ(念のためだが、僕が勤務している会社は、そういうのとはまったく縁の遠い業界である)。しかし、「アンパンマン線」があまり出ていないのはいい。ちなみにこのとき聞き手になってくださったライターさんと、今月末、個人的に飲む(そしてカラオケで唄う)約束が今日決まった。一期一会である。

 さて、手元には、来月下旬に小学館から刊行される書き下ろし『株式会社ハピネス計画』のゲラの再校が届いている。用字の統一などをめぐる細かい疑問点を除けば、ほとんど問題がなさそうだ。今回は、初校も含めて、異例なまでにスムーズに校正が進んだケースだった気がする。

 もっとも、もともと僕は、校正時に文面をいじるのが好きではない。「校正」は「校正」のためにあるのであって、「推敲」のためにあるのではないと思っている。一度規定のフォーマットに流し込んでみて、ページ数調整等のためにどこかを削ったりするのはアリだし、原稿時点では気づいていなかった不備や矛盾などを解消するために加筆訂正するのも、やむをえないと思う。そういう部分がたまたまたくさんあって、結果として「推敲」になってしまうのなら、まあしかたがない。

 しかし、ハナから「推敲」するつもりで「校正」を見るのは、どうかと思うのだ。そんなのは本来、原稿段階で、つまり入稿前に、やっておいてしかるべきことではないか。

 どうしてこんなことをことさらに言うのかというと、世の中にはそういうタイプの人がきっといるにちがいないと思っているからだ。「いるにちがいない」というより、実際にそういう人を僕は何人か(同業者とはかぎらず)知っている。見るたびに見方が変わってしまい、その都度違う朱を入れる人。それを何度でも繰り返す人。二転三転して、最終的にいちばん最初のバージョンと同じになっているのに、その事実にも気づかない人。

 自分1人ですべてが完結しているならそれでもかまわないが、それはたいていの場合、関係者(たとえば本なら、担当編集者、製版の人、場合によっては印刷会社の人)に迷惑をかけている。ものすごい迷惑だと思う。

 直せば直しただけよくなるとはかぎらない。ときには、いじりすぎたせいで自分でももはや何がよくて何が悪いのか判断がつかなくなってしまい、こんなことなら元のバージョンのまま手をつけない方がマシだった、ということにもなりかねないと思う。

 だいたい僕は、こう言ってはミもフタもないが、「推敲」という作業自体が好きではない。できることなら、「推敲」なんて1度もしないで済ませたいと思う。もちろん、実際にはそうもいかないから、最低1回は「推敲」の機会を持つようにしているが、まちがっても、「校正」段階でそれをやろうとは思わないし、事実、1度もしたことはないと思う。

 だって、迷惑ですから。それは。

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コメント

インタビュー記事、拝読しました。よいインタビューでしたね^^
お写真も白いワイシャツで清潔感アップ&長い指先がよかったです。
そうそう、今日チェックしてきたのですが、「anan」6/13発売号は「透明感のある女」特集だそうです。これなら購入できそうです。
あと、「活字倶楽部」春号という難易度の高い(Uさんならこういう妄想が得意かもしれない……)雑誌を初めて注文していま読んでいるのですが、「読者のオススメ」というコーナーで『忘れないと誓ったぼくがいた』が紹介されていました。こういうのって発見するとうれしいですね^^

投稿: ダレカ | 2007年6月 8日 (金) 00時05分

そうなんです、あのインタビューは、かなり等身大の自分が描き出されているように感じました。それに、「兼業作家であること」という点を突っ込んで訊かれたことってあまりなかったので、その点でも新鮮でしたね。
「anan」は、そうなのですか、僕よりむしろ情報早いですね(笑)。「活字倶楽部」という雑誌はなんとなくしか知りませんでしたが、「ワスチカ」はやっぱり「しぶとい」ですねぇ、って著者の僕が言うのもなんなんですけども。じわじわちょこちょこと売れつづけ、ひそかに紹介されつづけるって、けっこう得ようとして得られるスタンスではないので、自分としてはしめしめと思っております。

投稿: 平山瑞穂 | 2007年6月 8日 (金) 00時22分

あ、そうそう、あちらにコメントでも……と思いましたし、プレゼントも魅力的なのですが、わたしの一番の「体験」となると、かなり以前の削除した分の日記に書いたこともある、かなりハードな(一人暮らしで入院しているときに同級生が来たので外出届けを出して買い物や食事につれてもらうといった予定だったはずが、車で他県に連れ去られて一晩返してもらえなかった、という犯罪的な)ものなので、ああいう場には書けないし、書いたとしてもメールアドレスは出せないなぁと思いました。治療は一応受けておりますが、それ以来、異性としての男性とのお付き合いはできませんね。(そういうのをこちらのブログへのコメントなどで紛らわせていただいている部分がけっこうあります……。すみません。)

投稿: ダレカ | 2007年6月 8日 (金) 01時49分

上のコメント、重い内容ですみません。

投稿: ダレカ | 2007年6月 8日 (金) 01時50分

おはようございまーす。(^-^)
インタビュー読みました!
というか、最初に写真の平山さんを見て
「かっこいい~」としばし見入ってました。
なんか、すごくインテリ感があって・・・素敵。。。
それから、内容をじっくり読んで、あらためて
平山さんの作家としての生活や、創作活動のこと
そして、作家になるまでの気持ちなどを読めて
すっごく興味深かったです。
時間がたりないっていう平山さんに、本当にわたしの時間をあげたいって思ったし。。。
それだけ、人の二倍働いている大変さはもちろんだけれど
人の二倍充実した毎日を過ごしているんだろうなぁって思うと
やはり、かっこいいって思いました。
なんか、ミーハーなファンみたいになってしまった。(汗 すみません。
でも、わたしは、平山さんの作品からファンになったほうですよ!なんていってみたり。(^-^)
写真をみたらもっと好きになりました。やっぱりミーハーだ・・・。(汗

投稿: 果歩 | 2007年6月 8日 (金) 05時59分

> ダレカさん
それはたしかに「ディープな」体験ですが、ある意味ディープすぎてしまいますね。
しかし僕が最も危惧するのは、結局、応募が1件もないことです……。「オズ・マガジン」のオークションのときは、最終的にはどなたかがそこそこの値段で落札してくださったようでほっとしましたが、本当に、こういうのってできればカンベンしてほしいなって感じなのですよ、正直なところ……。

> 果歩さん
いやいや、そんなに褒めないでくださいよ〜。こういうことがあると、そのうち周囲の人たちから、「ファンに“カッコイイ”とか言われていい気になってる」とかツッコまれてしまうのですよ(笑)。
たしかに、時間はいつも足りないと感じてますが、実際には、ほぼ1日何もしないでゴロゴロしながら無為に過ごしているときもままありますので、トータルでバランスは取れているのかなあと思ったりもします。今日も、ついさっきようやく活動を始めた感じですしね。

投稿: 平山瑞穂 | 2007年6月 9日 (土) 18時31分

お題が難しいですし、コメント欄がメールアドレス入力必須ですからね〜。
さすがのわたしも、応募用のアドレスを新規取得してからじゃないと書き込めませんね。

投稿: ダレカ | 2007年6月 9日 (土) 23時14分

あ、いえいえ、もちろん、どうぞご無理はなさらずに! あのお題、実は、インタビュアーの人が思いつきで言ったのを、「あ、それいいですね!」とノリで採用してしまったのですが、ちょっと難易度高すぎたでしょうか(笑)。

投稿: 平山瑞穂 | 2007年6月10日 (日) 01時13分

いえいえ、「わたしくらい、いつもコメントをしている図々しいものでもなかなか難しい」ということです。本当は、景気付けに(体験ではなく感想を)書き込もうとしたのです。
ああいう質問に回答すると個人特定されやすそうなので、ネットと実生活を分けたいわたしは応募しづらいですし、そういう方は多いと思います。でも、応募が多くなるといいですね。オークション、その後チェックできず、おいくらくらいで落札されたのか気になります。

投稿: ダレカ | 2007年6月10日 (日) 01時27分

落札価格はですね、正確には覚えてませんが、たしか5,200円かそこらだったかと。でもその後、同じコーナーに伊坂幸太郎さんが登場したときの出品物であるサイン本に47,000円の値がついていたと知って、そもそも同じ土俵にはいないとわかっていながら少々ショックを受けました(笑)。

投稿: 平山瑞穂 | 2007年6月10日 (日) 18時55分

平山さんの危惧を払拭する為に!!応募させて頂きましたよん♪偉いっしょ!?
これは先日、コメントの枠を超えてインタビューもどきの質問をしてしまった際に、『ダラけない事』という素晴らしいお返事を下さった平山さんへの敬意でありますっ!!
有り難うございましたm(__)m
以来『ダラけない!ダラけない!!』と唱えながらお仕事頑張ってます(^-^)
ただし『ダラけないように』と頑張っていると、平山さんのブログにお邪魔する機会、結構減ってしまいましたけれど、、、(ビミョ〜・・・)

投稿: ねむりねこ | 2007年6月12日 (火) 04時01分

ねむりねこさん、ありがとうございます(⊃д`)
さっそく拝見させていただきました。なんというか、現実のことなのに幻想的なんですね。インストラクターの人が制止したってくだりがリアルでした。そして、今のところ応募はねむりねこさんだけなので、このままだとサイン本は自動的にねむりねこさんの手に……。
ちなみに、「ダラけないこと」と書いたあの晩ですが、実は僕相当酔っぱらってまして、あまり何を書いたか覚えてなかったんですよ、とにかくレスをしなきゃという虚仮の一念でかろうじて書いた次第で(笑)。ちょっとビクビクしながら読み返してみたところ、ちゃんとマトモなことを言ってましたね。しかし、パンチミスだらけですね。

投稿: 平山瑞穂 | 2007年6月12日 (火) 18時50分

はい! 『ねむり《むこ》』です(^-^)
↑パンチミスも頑張っていらっしゃると言う事の証明!   ご愛嬌ですから(^.^)

本当に平山さんの『責任感の強さ』と、『キチンとやろう』という思いと、それを実行なさる際の成功率の高さは『爪垢』ものですっ!!
溜め息が出る程の脱帽ものですっ!!

このブログ(=平山さんの生き様?)は、最近何よりも私のモチベーションになっています。
ありがとうございます(^-^)
ブログを読ませて頂いて、私も少しでもその自己制御能力を身に付けたい!!
そんな意味でも憧れています。


『虚仮の一念』、初めて耳にしました。
平山さんのそのボキャブラリーの多さはどうやって養われているのでしょうか?
又質問をしてしまうと、平山さんの貴重なお時間を奪ってしまうようで恐縮ですが、お時間のあられる時にでもご伝授下さいませ。

そしてこれはそのお礼代わり(?)に、ダイビングのお話しを、、。

海中浮遊は本当に素敵ですよ。
何キロメーターも下にある海底を見下ろしながら、水深20m程度を水面から平行に進んでいると、まるで渓谷の上空を大きな羽をはためかせて渡っている様な錯覚に陥ります。
まるで『魔法にかけられている様な』気分になります。
『胎内での記憶』にでも結びつくのか、不思議な安心感と、そして多少の未知なる物への不安感が入り交じります。

この地球がこんなにも美しかったのかと感謝と感動を憶え、『通常は見えていない部分の美しさ』
を知った事によって、その後の人生の意味も少しだけ変って来ます。

今日は私がもう眠くってしようがないので、これでオヤスミナサイです、、、。

投稿: ねむりねこ | 2007年6月13日 (水) 05時24分

すみません、「モチベーションになっている」と言っていただいたその日に、力尽きてしまってお返事できませんでした。しかし、おかけで今日はシラフですよ。
ボキャブラリーの多さですか? いやー、そりゃ、腐ってもプロの作家ですからねぇ(笑)。改まって訊かれると「なんでだろう?」という感じなのですが、まずは本をたくさん読んだことと、あとは、やっぱり自分で職業的に文章を書いていると、同じ表現をくりかえし使うのはなるべく避けて、バリエーション豊かにしようと心がけるじゃないですか。その繰り返しではないでしょうか。
ダイビングはいいですね、憧れます。実は昔からやってみたいと思っていたのですが、なにぶん超インドアな暮らしぶりなもので、きっかけもつかめず……。エイが泳いでるところとか見ると、まさに翼をはばたかせて飛んでいるみたいに見えますしね。その感覚を自分も味わってみたいものだと思います。いつか。機会があれば。

投稿: 平山瑞穂 | 2007年6月14日 (木) 21時59分

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