目指せオイルフリー
『株式会社ハピネス計画』についての「メンズノンノ」からの取材で、新宿京王プラザホテルへ。聞き手になってくださったライターのTさんは、僕が作中でひそかにこだわって凝りまくった(ただしストーリー展開上は瑣末としか言いようがない)「細部」にきっちり反応し、「あのへんは書いていて楽しかったんじゃないですか」と非常に嬉しい指摘をしてくださった。
僕はさりげない細部にこそ、作品世界のリアリティと説得力が宿るのだという信念から、いつも細部を決しておろそかにせず、そこを造形することに並々ならぬ時間と労力を傾注しようと努め、またその孤独で地味な作業に無類の喜びを感じる方なのだが、その点に気づいてくれることはとても嬉しい。
インタビューの後、小学館の担当Mさんと食事しながら、いつのまにか、「オヤジには、ダサいオッサンになるか、チョイ悪になるかしか取るべき道はないのか」というのが話のテーマになる。そんなことはない。「オッサン」も「チョイ悪」も脂ぎっているという点では同じだが、「脂ぎっている」という要素を除いた第3の道があるはずだ。たとえば、「枯れかかっている、脂気に乏しいインテリオヤジ」とか。そういうキャラになにかキャッチーな呼び名がないかと考えていて、Mさんが「オイルフリー系」はどうか、と提案した。それだ。オイルフリー・オヤジ。僕はそれを目指そうかな。
明後日からのベルギー・オランダ旅行に先立ち、土曜日から川越の実家にクーニャンを預けている。大昔、故・無為を預けた際には、警戒心が強くてすぐに威嚇したり爪を出して引っかいたりする点が不評だったようだが、クーニャンはおおらかな性格で、人見知りもしないし、怒るということがまずない。そういう意味で、「今度はおとなしい猫だから大丈夫だよ」と言ってあったのだが、実際には、夜通し駆けまわったりして、年老いた父母の安眠を妨害したりしており、「どこがおとなしい猫なんだ、だまされた」と言われているらしい。だましたつもりはないのだが、「ちょっとやんちゃな猫だよ」程度のことは匂わせておくべきだっただろうか。
旅行前にかなり前倒しでいろいろ片づけたつもりだが、「理想」から見るとまだいくつか積み残しがある。しかし、このへんで手を打っておくか。
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