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2007年7月 8日 (日)

目分量の正確さ

 日販が出している情報誌「新刊展望」から依頼されていた、『株式会社ハピネス計画』についてのエッセイを書き上げる。文字数だけ見て、「だいたいこんなもんだろう」と見当をつけながらベタ打ちで書いてみて、「33字×44行+15字×14行」という指定レイアウトに後から流し込んでみたら、1行の過不足もなくピッタリで、自分、天才じゃないかと思った。

 なにかこれと似たことが過去にもあった、と思って考えてみたら、あれだ。食事療法の鬼と化していた頃に、「1単位(80kcal)」分のトリもも肉(60g)を、1gの狂いもなく包丁で切り出せていたことがあった。10回中7回くらいは誤差がゼロだったので、あれはもはや完全に習得したスキルだったのだと思う。「〜だった」と過去形で言っているのは、最近は忙しすぎて自分で料理することがほぼなくなってしまっているからだ。今やったら、たぶん腕がナマっていて、だいぶ誤差が出てしまうのだろう。しかし、食事療法なんて実はだいたいでいいのだ。

 午後になって、IKKI編集部から、『魅機ちゃん』連載初回分のゲラが届く。ゲラと言ってもイラスト入りなので、通常の小説のゲラとはだいぶ様相が違う。阿部潤さんのイラスト部分を(印刷時の)実寸で見るのは初めてなので、感激もひとしお。

 あいかわらず、ページがどういう状態になっているのか、文字だけで伝えるのは非常に困難なのだが、毎回、イラストがどこにどれくらい入ってくるかといったあたりは基本的にフィックスで連載を進めるので、小説部分の文字量にかなり厳密な制限がある。しかも、全6話を予定しているうちの1話分のエピソードを毎回「前編」「後編」に分けて載せていくので、「前編」の切れ目がいかにも続きを読みたくなるような場面になっていることが望ましい。今回は偶然、ちょうどいいところで切れているが、第2話以降はそれを意識してペース配分していかなければならない。

 思えば続き物のコミックを雑誌に連載している漫画家さんなどは毎回そういうことをやっているわけで、ましてそれが週刊ベースなどだと、もう、息つく暇もなく常にネームの配分や回の切れ目に気を配りつづけている状態なのだろう。その心労たるや想像を絶するものがある。コミック連載の世界を一瞬垣間見て、恐れをなしているといったところだ。

『魅機ちゃん』の連載は、そのあたりで毎回苦労しそうだ。「新刊展望」のエッセイを書いたときの「ピッタリ」度合いが、単なる偶然ではなく、身についたスキルであればいいのだが。

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コメント

おはようございまーす。
目分量とは違いますがバイトしていて
大量に買い物したお客さんの荷物が自分が
選んだ袋のサイズにぴったりと納まると
なんとなく達成感があったりします。
小さなガッツポーズをとりたくなるというか。(笑

小説を漫画にするって、たしかに文章に制限があるというか
なかなか難しいんですね。いわれてみて
「そうだよなー」と思いました。でも
すごく楽しみ!!
今週も一週間お仕事ファィトです!

投稿: 果歩 | 2007年7月 9日 (月) 06時50分

その、袋のセレクトにおける達成感、一応コンビニでのバイト経験があるのでわかりますよ。慣れないうちは適当な大きさの袋をとっさに選べず、入れ直しになっちゃったりするんですよね。なにごとも経験の蓄積だなと思います。

投稿: 平山瑞穂 | 2007年7月 9日 (月) 19時15分

ご無沙汰しておりました、狷介であります。
僕は袋のセレクト、苦手でありまして、いつも少し大きめかなというものをチョイスするように致しております。よしんばギリギリで入ったとしても、ピチピチの袋というものは何だか余裕がない人生のようにも思えますし……。

時に、『IKKI』での担当さんはもしかして夢太郎さんでいらっしゃいますでしょうか? そうだとしたら、余計に楽しみであります。

投稿: 狷介 | 2007年7月10日 (火) 11時12分

担当は、そのとおりです、夢太郎さんです。さすがにお詳しいですね(笑)。いろいろな意味で安心な方です。

しかし、書籍の場合、袋のセレクトというより、中に収納するしかたにスキルが必要なのではないでしょうか。自由度が低いというか。以前、ある書店で単行本と文庫とあわせて6冊ほどまとめ買いした際、レジの人が、パズルのように巧みに本を組み合わせて、芸術的と言っていいほどぴったりと収まるように袋に詰めてくれて、その手際にはたいそう感心したのですが、あまりにぴったりすぎて、取り出すときに少々苦労したということがありました。難しいもんです。

投稿: 平山瑞穂 | 2007年7月10日 (火) 20時18分

あ、なんだかそのお話わかります。
他ではそういうことはないのですが、わたしの知る範囲でもっとも態度のよろしくない男性書店員さん(いつもだらだら嫌そうに仕事をしていたり、ビル全体でスタンプラリーなどをやっていても声をかけてくれないので後で他の店で知って戻って他の店員さんに押してもらったりする)がいらっしゃいまして、その彼にピチピチに袋に詰められると、なんとなく「正確」なのではなくて「ケチっているだけ」「雑誌だから雑に扱っていいと思っているのだろうか?」と思えるんですよね。
なので、狷介庵さんは今後も心持ち大きめでいいと思いますよ。

あと、雨のときにビニール製の袋に入れてくれる店員さんには好感が持てます。

投稿: ダレカ | 2007年7月11日 (水) 02時38分

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