同日発売
『魅機ちゃん』連載第3回が掲載された「IKKI」11月号と、短編『棕櫚の名を』が掲載された「SFマガジン」11月号。「SFマガジン」の真っ赤な表紙は斬新で、見本誌が届いたときちょっと驚いた。
『魅機ちゃん』の方は、1話完結の「前編・後編」の構成で言うと、今回は2話目の「前編」ということになる。阿部潤さんのイラストがいい感じに弾けていて楽しい。しかも、最終ページのスピンオフ・ショートコミック『ユカリコ』が、本編に出てくるユカリコの2人組とはまったく無関係に独自のとんでもない展開を見せており、普通に先が楽しみである。もともとそうなることは織り込み済み、と言うより、むしろ好き勝手にやってほしいというコンセプトで始められた連載だが、阿部さんが期待以上に好き勝手にキャラを動かしてくれるので、楽しくてしかたがない。
「SFマガジン」の方は、大御所・神林長平さんや、伊藤計劃さん、デビュー以来なにかと話題が絶えない円城塔さんの新作などと並んだ「日本作家特集」の一部というのがなんとも嬉しいかぎりだが、僕が掲載した作品は、実はSFではない(と思う。たぶん)。まあ、過去にこの雑誌で発表した2作の短編も、厳密な意味で「SF」とは呼びがたい作品だったわけだが。なにしろ僕は、理系科目がものすごくダメな人間だったのだ。Scienceの何たるかがそもそもわかっていないのである。
めずらしく〆切がひとつもなかった今月は、ひたすら実業之日本社向けの書き下ろし長篇に没頭中である。しかしそんな中でも、ささやかな娯楽として、群馬サファリパークに行ってナマ大猫類のナマ食餌行動を見守ったり、ピーター・ラビットの著者ビアトリクス・ポターの伝記映画「ミス・ポター」を観に行ったりもしている。
映画館では、ホールの入口が「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」と並んでいて一瞬紛らわしかった。"Beatrix Potter"を「ビアトリクス・ポター」と綴るのは、すでに商標として登録されているからなのだろうが、おかげでからくも「ハリー」の方の"Potter"との差別化が図れていてよかったのではないか。レニー・ゼルヴィガー演じるキュートなハイミスっぷりが絶品だった。
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