されどSF
漫画家・阿部潤さんとのコラボ『魅機ちゃん』第7話が掲載された小学館「IKKI」の3月号と、僕の短編『十月二十一日の海』が掲載された「SFマガジン」3月号。
『魅機ちゃん』は、今回と次回の2ヶ月にわたり、タイ料理レストランを主要な舞台としたエピソードだ。去年の晩秋ごろは、そのための取材と称してタイ料理を食べまくり、汗をかきまくった。それ以外にも、友人の義妹さんであるタイ人女性に取材させてもらったり、実はいろいろたいへんだった。
そういえば今年の年賀状は、阿部潤さんにも許可をいただいて、『魅機ちゃん』のイラストをモチーフに選んでデザインしたのだが、それで初めてこの連載を知ったらしい何人かから、「コミックの原作もやってるんですね」と言われた。そういう誤解が発生することを見越して、「コラボだけどあくまで小説」という点を注釈でさりげなく入れておいたのだが、まあ、どういう連載なのかそれで理解できる人はほとんどいないだろう。
まして、あえて主人公のみきちゃんのイラストを年賀状に使用した僕の真意に気づいた人は、おそらく100人中1人か2人といったところだろう。みきちゃんがそうであるということになっているアンドロイドの商品名が「魅機MOUS(みきマウス)-27」なので、それと「マウス」を引っかけて「ねずみ年」、ということだったのだが。
「SFマガジン」の短編の方は、例によって、SFではない。前回の『棕櫚の名を』よりは、ギリギリ、SF的要素がなくもないが、まあそれはこの際、どちらでもよいのだ。ジュンク堂書店池袋店では、「平山瑞穂コーナー」自体が「日本SF」の棚にあるのだから(糖尿病小説『シュガーな俺』もその棚に陳列されている。「糖尿病小説」でなおかつほんとにSFだったとしたらどんな小説なんだろうか。読んでみたいものである)。
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