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2008年1月27日 (日)

されどSF

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 漫画家・阿部潤さんとのコラボ『魅機ちゃん』第7話が掲載された小学館「IKKI」の3月号と、僕の短編『十月二十一日の海』が掲載された「SFマガジン」3月号。

『魅機ちゃん』は、今回と次回の2ヶ月にわたり、タイ料理レストランを主要な舞台としたエピソードだ。去年の晩秋ごろは、そのための取材と称してタイ料理を食べまくり、汗をかきまくった。それ以外にも、友人の義妹さんであるタイ人女性に取材させてもらったり、実はいろいろたいへんだった。

 そういえば今年の年賀状は、阿部潤さんにも許可をいただいて、『魅機ちゃん』のイラストをモチーフに選んでデザインしたのだが、それで初めてこの連載を知ったらしい何人かから、「コミックの原作もやってるんですね」と言われた。そういう誤解が発生することを見越して、「コラボだけどあくまで小説」という点を注釈でさりげなく入れておいたのだが、まあ、どういう連載なのかそれで理解できる人はほとんどいないだろう。

 まして、あえて主人公のみきちゃんのイラストを年賀状に使用した僕の真意に気づいた人は、おそらく100人中1人か2人といったところだろう。みきちゃんがそうであるということになっているアンドロイドの商品名が「魅機MOUS(みきマウス)-27」なので、それと「マウス」を引っかけて「ねずみ年」、ということだったのだが。

「SFマガジン」の短編の方は、例によって、SFではない。前回の『棕櫚の名を』よりは、ギリギリ、SF的要素がなくもないが、まあそれはこの際、どちらでもよいのだ。ジュンク堂書店池袋店では、「平山瑞穂コーナー」自体が「日本SF」の棚にあるのだから(糖尿病小説『シュガーな俺』もその棚に陳列されている。「糖尿病小説」でなおかつほんとにSFだったとしたらどんな小説なんだろうか。読んでみたいものである)。

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2008年1月20日 (日)

シュガーな料理人

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 日本放送出版協会の月刊料理雑誌「きょうの料理 ビギナーズ」の2月号p.80に、『シュガーな俺』についての僕のインタビュー記事が掲載されている。ご興味があればご一読を(ちなみにこの雑誌は、保存性を考慮してか、ムックみたいに豪華な作りになっている上に、ビギナーに限らず、料理をする人には必ず役に立つ実用的な情報満載で、これで500円とは信じられないほど良心的な内容である)。

 以前、「看護」という雑誌にも、『シュガーな俺』がきっかけでエッセイを寄稿したことがあった。また、まだ本決まりではないが、実は今、名古屋の某カンファランスで、糖尿病患者として講演みたいなことをやってほしいという声もかかっている。作品の性質上、一般文芸では普通予測できないような領域の広がりがあるようだ。

 それと、本が売れるかどうかというのはまったくの別問題なのですがね。

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2008年1月12日 (土)

甘ったるい俺

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『シュガーな俺』の韓国語版『달콤한 나』(タルコマン・ナ、すなわち、「甘ったるい俺」)が昨年末発売され、見本が届いた。画像ではわかりにくいが、縦横の比が若干変則的な判型になっている。オビのコピーは、「ある日突然下された死刑宣告!!」。うーん、なんとセンセーショナルな。

 主人公・片瀬の歳若い飲み友達である亜梨沙の、仰々しくてどこか怪しい口調を韓国語でどう再現するか、訳者のキム・ドンヒさんはだいぶ苦労されたようだが、たとえば亜梨沙初登場時の台詞は、以下のように処理されている。

原文:
承知つかまつりました。片瀬さんの“飲み納め”、お供させていただきます。今日は死ぬ気でお飲みくだされたく。

訳文の逆輸入和訳:
承りました。片瀬先輩の“終飲酒宴”(チョンウムジュヨン)に、喜んで随行いたしましょう。今日は死ぬ覚悟でお飲みになってください。

 亜梨沙の口調の「大げささ」を出すために、上記のような、現代ではあまり使われない四文字熟語のようなものを意図的に援用したとのことである。僕は韓国語は辞書片手にようやく読める程度なので、正確なニュアンスまではわからないが、きっと感じが出ているのだろう。

 ところで、韓国語版では、亜梨沙は主人公・片瀬のことを「片瀬さん」ではなく「片瀬先輩」と呼んでいる。会社での先輩・後輩の関係なので、韓国での習慣から言ってその方が自然だから、とのことだが、期せずして、この亜梨沙はなかなか萌えキャラになっている気がする。小柄で童顔で酒好きの若い女子に、「先輩!」と呼ばれてみたいものである。

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2008年1月 5日 (土)

あけおめて

「あけおめことよろ」は、本当は別に普及していたわけではなかったのに、変にメディアに取り上げられてしまったがために「若者の間で流行っている」という誤認が生じ、逆にその現象自体のパロディとして結果的には本当に使われはじめてしまった表現……であると僕は思っているのだが、間違っているだろうか。

 しかしこの言葉も、次のようにアレンジするとなんだかもっともらしくなる。

  あけおめましてことよろうございます。

 さらにもっともらしくするために、以下のような架空の語釈を添えてみる。

  ・あけおめ・る【動・下1】
   新年を迎えてめでたい気持ち・雰囲気になる。
   凡例「あいつは年がら年中-----・ている呑気
   な奴だ」

  ・ことよら・い【形・ク】
   相手に対してあらためて厚誼を依願したい
   気持ちである。凡例「久々に彼の顔を見たら
   ------・くなってしまった」
   →連用形「ことよら・く」は時に音便変化で
   「ことよろう」に転ず。

 おお、もっともらしいぞ。そしてこのネタは、すぐれて「黒いシミ通信」時代的だぞ。

 というわけで本年もことよろうございます。

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