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2008年2月 3日 (日)

表記のルール

 3月に実業之日本社から刊行される予定の書き下ろし『プロトコル』のゲラを見ていた。

 ゲラにおいて校正の人が見るポイントのひとつに、「表記のブレ」がある。同じ言葉をあるときは漢字で書いていたり、ひらがなで書いていたり、といった表記を統一すべくチェックをかけるのだ。書き手というのは、特に長編の場合、場所によってけっこう意図せずにバラバラの表記を取ったりしてしまうものなので、その作業は苛烈を極めるだろう。

 ただ、言い分がある場合もある。自分の中ではルール化されており、それを前提に見ていけばほとんどブレがない、というケースだ。たとえば僕は、「続ける」「始める」は必ず漢字で書くが、「〜しつづける」「〜しはじめる」はひらがなで書く。「食べ続ける」と書くより、「食べつづける」と書いた方が、見た目がうるさくないと感じるからだ。

 しかし、校正をする人にとってはそんなの知ったことではないので、同じ「ツヅケル」がある場所では「続ける」、ある場所では「つづける」になっていれば、それらすべてに無条件にチェックを入れて、「どちらに統一しますか?」と示唆してくるわけである。その都度僕は、「これはこういう法則で使い分けているのでママにしてください」と説明する。

  ゲラを見るたびに、そうしたやりとりをめんどうくさいなぁと思っていたのだが、今回、校正をやりながら、「そこまで法則化されてるんだったら、最初からそれを版元に渡しておけばいいんじゃん」と気づいた。校正をする人にも前もってそれを渡しておけば、おたがいの手間が省ける。校正の人には、僕が意図せずにその自分ルールにそむいて別の表記を取ってしまったところがないかどうかを見てもらえばいいのだ(もちろん、その他、単なる誤記なども含めて)。

 ほかの作家さんがどうしているのかは知らないが、同じことに気づいてそういうルール表を作っている人もいるのではないかと思う。もっと言えば、たぶん、それはプログラム化できる。原稿をデータ状態でそのプログラムにかければ、別途登録しておいた「ルール」に従って、自動的に表記のブレを補正する、というやつだ。あるいは、ルールと異なっている部分をエラーリストとして出力するだけでもいい。そういうソフト、需要は絶対にあると思う。だれか作ってくれないだろうか。

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コメント

いいアイディアですね!
先生らしいです(*^_^*)

そして、新作も楽しみです(*^_^*)

投稿: ダレカ | 2008年2月 4日 (月) 01時04分

ダレカさん、ありがとうございます。
しかし今まで5冊も本を出していてこれに気づかなかったとは不覚。

投稿: 平山瑞穂 | 2008年2月 4日 (月) 21時43分

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