『プロトコル』発売
僕の6作目の長編小説『プロトコル』が、実業之日本社より、本日、配本になった。明日・明後日あたりで全国に行き渡るのではないかと思われる。ちなみに画像の中で寝かされている方は、やはり実業之日本社から同時発売のアンソロジー『Re-born はじまりの一歩』。伊坂幸太郎さん、瀬尾まいこさん、豊島ミホさん、中島京子さん、福田栄一さん、宮下奈都さんとともに、僕も短編をひとつ寄せている(「ジェイ・ノベル」2007年8月号に掲載された『会ったことがない女』)。
『プロトコル』の語り手は、ネット通販大手勤務の26歳女子(メガネ・スーツ着用←萌え?)。僕の「女になりすまし」も板についてきたというか、いっそ快感になってきた感がある。また今回は、僕の言語好き・文字好きな側面がかなり大胆に投入されていると思う。例によってジャンル分けが困難な作品だが、それを言うならそもそも小説にジャンル分けなんて必要なのだろうか。
「私は、必要だと思うわ」
「君がなぜそう思うのか、訊いてみてもいいかな」
「ええ。理由は二つあるの。まず第一に、ジャンル分けされていれば、読者が本を買う前におおむねの見当をつけることができる。これは果たして、とある会社社長が密室で人知れず息を絶っていたことの謎を解く話なのか、それとも白い靴下を履いた女性の足を偏愛する男が、熱帯雨林の中で幻の鰐に追いかけられた挙げ句この世界の絶対的な真理に到達する話なのか、少なくともその程度の見分けがついた方が、読者は安心して財布の口を緩めることができると思うわ」
「オーケー、一つ目の理由はわかった。二つ目は?」
「そうね。何と言えばいいのかしら。たとえば今あなたの目の前に、一羽のアルマジロがいたとする」
「アルマジロは一羽とは言わない。一頭だよ」
「一頭……。どうかしら。私にはむしろ、一匹なのじゃないかって気がするんだけど。つまり、あれはどちらかというと……硬質だわ。あの、体中を覆う鱗の感じ。私の言っている意味、わかる?」
「わかると思う。つまり君は、蜥蜴には蜥蜴の棲み家がある、そう言いたいんだね?」
「そう。蜥蜴には蜥蜴の棲み家がある。雨の夜に聴くコルトレーンが、それにふさわしい部屋を持っているように」
「やれやれ。話が振り出しに戻ってしまった」
やれやれ。
(以上、村上春樹風)
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コメント
おめでとうございます!
先日、二冊とも簡単にmixiの日本ファンタジーノベル大賞コミュニティで宣伝してきました。
明日は街中の書店に行くので確認してみますね(*^_^*)
投稿 ダレカ | 2008年3月19日 (水) 03時22分
おめでとうございます。
年初に転職して通勤経路に大型書店がなくなったので、こちらのブログ経由のアマゾンで予約しました。早く届くと嬉しいです。
投稿 おかぽん | 2008年3月19日 (水) 10時13分
今日は見つかりませんでした。また今度見に行きます(*^_^*)
投稿 ダレカ | 2008年3月19日 (水) 19時36分
久々にコメントさせて頂きます。やはり春樹風に「わかると思う」は欠かせませんよね(笑)。
新作発売おめでとうございます! 早速書店の方へ求めに行きたいと思います。「言語」の部分がかなり気になる……。
投稿 小太郎 | 2008年3月19日 (水) 20時33分
> ダレカさん
ああ、またしても間に合いませんでしたね、すみません……。よろしくお願いいたします。
> おかぽんさん
お久しぶりです。転職なさったのですね。しかし、こうしてちゃん覚えていてくださって、本も買ってくださって、ほんとに嬉しいです。ありがとうございます。
> 小太郎さん
ご無沙汰しております。「春樹風」、実はかなり得意技だと自分では思ってるんですよ(笑)。
「言語」部分、ご期待ください! かなり好き放題に書かせてもらいました。
投稿 平山瑞穂 | 2008年3月21日 (金) 00時13分
朝日新聞に二冊とも広告が出てましたねo(^-^)o
投稿 ダレカ | 2008年3月23日 (日) 14時51分
ご指摘を受けるまで気づいてませんでした……。と言うか、まだ郵便受けから朝刊を持ってきていなかったというか(休日は異様に朝が遅いもので……)。
投稿 平山瑞穂 | 2008年3月23日 (日) 22時24分
大変お久しぶりです。やっと昨日読む時間ができました。「言語」部分楽しかったです。青春(恋愛)チックな終わり方もすばらしく、爽快な読後感でありました。共著の方も楽しみです。(いつ読む時間ができるのか・・)有楽町の三省堂は両方ともドーンと平積みしておりました。
投稿 masaya.h | 2008年3月24日 (月) 15時33分
お久しぶりです、masaya.hさん。そして、「やっと」とかおっしゃりながらすでに読んでくださってるんじゃないですか!(ありがとうございます……)
「言語」部分はほんとに僕自身が書きながら楽しんでしまいってましたからねぇ。エンディングも、今回は今までになく無理のない爽快感に持っていけたのではないかと。
共著の方も、よろしくお願いいたします。
投稿 平山瑞穂 | 2008年3月24日 (月) 21時23分