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2008年9月24日 (水)

『桃の向こう』

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 僕の7冊目の単行本『桃の向こう』が、角川書店からそろそろ配本になる。少し先走っているようだが、最近の僕は余力があったりなかったりやる気があったりなかったりムラが激しいので、余力がある今のうちに記事にしておこうと思う。

 去年の5月号から「野性時代」に断続的に連載していた「桃の向こう」シリーズをまとめ、長めのエピローグ部分を書き下ろしで加えてある。連載時には、不定期ということもあって、各話に起承転結のある、それぞれ独立した短編としても読めるような形を取っていたが、もともと、1本の長編小説として構想されたものだ。書籍化にあたって、1話分はほぼまるごと書き改めた。

 改稿・加筆は6月頃行なっていたのだが、諸事情あって実質半月しか期間がなくて、始めたときには正直、「絶対ムリ!」と思っていた。いまだに、どうして間に合ったのかわからない。兼業の身としては、極限状況に近かったと思う。作家になって4年、あのときほど死を間近に見たときはなかった。

 自作をうまくプロモーションするのは下手なので、例によってそのへんは差し控えておくが、ひとことで言えば、「ロスト・ジェネレーション世代の、10年にわたるほろ苦い群像劇」である。ただ、そんな中にも実は、「ラスマン」的な世界の捩れは暗示されていると僕は思うのである。著者である僕がそう言うのだから間違いがなさそうだが、著者が言っているがゆえに信用ならないともまた言えるかもしれない。いや、それはあくまで一般論であって、僕が信用がならないかどうかはご想像にお任せすると言うよりほかないであろう。

 華やかである中にもどこか不吉さを感じさせるこのカバー写真、僕はたいへん気に入っている。何度も言うが、僕は表紙に恵まれていると思う。すべてに恵まれているわけでは必ずしもないとしても。夜空に光る黄金の月などなくても(しつこい)。

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