« SFマガジン増刊号の色っぽくない女 | トップページ | 未来の中の過去 »

2009年4月17日 (金)

一代抜けている

Kc380043

「小説すばる」5月号。僕の短編『拾う神あり』が掲載されている。デビューのはるか前、15年くらい前から構想だけはあったのが、今回、いろいろいきさつがあってようやく作品の形に結実したものである。僕が敬愛してやまないある超ベテランシンガーをイメージした主人公が、ひょんなことから急進的左翼組織と関わりを持つようになるという話。

 主人公は還暦を迎えた人物だが、作品自体は「青春小説」の特集に組み込まれている。「老いらくの青春」とでもいうべきか。

 関係ないのだが、4/11付の「朝日新聞」土曜版「be」に、最近ウェッジ文庫から復刻された僕の曾祖父・平山蘆江(ろこう)の随筆集『東京おぼえ帳』が紹介された折り、「関連本」として僕の『忘れないと誓ったぼくがいた』が一緒に紹介されていた。「関連」といっても、著者同士が血縁関係にあるという意味での「関連」しかないのだが。

 まったく予想外の紹介のされ方に驚きつつ、そのことを実家の父親に伝えたところ、「実は僕も最近、朝日新聞の記者さんから取材を受けた」という。今日になって知ったのだが、4/15付「朝日新聞」31面イベント欄の「国宝 阿修羅展」についての記事の中に、立教大学名誉教授として名前が挙がっていた。しかも、57年前、前回東京で「阿修羅」像が公開されたときのことを父親が描写した小説の一部が抜粋される、という形でだ。

 お父さん、小説なんて発表していたのか!(という事実にいちばん驚いた。)

 朝日さんには、期せずして、三代にわたって物書きとしてご紹介いただいたわけだ。え、一代抜けているのではないかって? そのとおりです。この中には、祖父だけ登場していません。しかし彼は、一生にわたって「俺はまだ本気出してないだけ」(青野春秋)な人物だったので、実績らしい実績がなかったのです。
 

|

« SFマガジン増刊号の色っぽくない女 | トップページ | 未来の中の過去 »