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2009年10月 4日 (日)

『シュガーな俺』文庫版

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 発売に数日遅れてしまったが、僕の3作目の書き下ろしにして「世界初の糖尿病小説」を標榜した『シュガーな俺』の新潮文庫版が出たので、紹介させてもらおう。

 表紙イラストは、Shu-Thang Grafix名義でイラストレーターとして活躍されている浦野周平さん。「モテリーマン講座」で一躍脚光を浴びた人なので、この、ポップでありながらどこかトボけた味わいのあるアメコミ風の絵柄に見覚えのある方も多いのではないだろうか。僕自身、新潮文庫編集部から最初に打診を受けたとき、「この人しかいない!」と思うほど作品にピッタリだと思ったし、編集部でも満場一致で即決されたらしい。

 上の画像ではオビがついているので下の方が見えないが、実はこのショートケーキの着ぐるみを着たランニングシャツの男(主人公・片瀬?)のだらりと下がった左手の先には、生ビールのジョッキが力なくぶら下げられており、そこから地面にビチャビチャとビールが零れている。失意とも茫然自失とも取れる男の無常観溢れる表情とあいまって、作品の本質を捉えた素晴らしいイラストだと思う(浦野さん、ありがとうございました)。ぜひ、オビを剥がして全貌を鑑賞していただきたい。

 それにしても、単行本の表紙も甘ったるそうなタルトの写真だったし、今回もケーキ。主人公・片瀬は、実はとりたてて甘党というわけではなく、酒が好きなだけなのだが、タイトルの「シュガー」の持つインパクトがそれだけ強烈ということなのだろう。

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