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2009年12月 3日 (木)

I can't stand it

 たとえばこんな書き出しの小説があったとする。

  市ノ瀬雅治は、自慢の4WDを降りるとすぐに舌打ちをした。

 ダサい。ここを読んだだけで、続きを読む気をなくしかねない。何がダサいかって、このフルネームだ。いや、名前自体が問題なのじゃない。「市ノ瀬雅治」が「田所紀彦」でも「石田京子」でも「成瀬春樹」でも同じだ。「フルネーム」をわざわざ最初に明示するその姿勢、それがダサいと思うのだ。テレビドラマも同様である。

  営業部長 牧田浩二

 とか、新しい人物が登場するたびにご丁寧にテロップでフルネームどころか役職や位置づけまで明示するあの方式。ダサい。それだけで、続きを観る気をなくしかねない。そのダサさが、僕には耐えられないのだ。

 もしも僕が将来、自分の小説でそのような書き方をしていたとしたら、そっとたしなめておくれよ。自分自身の宣言に矛盾する言動を取ったことに対する謝罪として、僕は5,400万ルピア(約50万円)払ってもかまわない。まあその程度だけど。1千万円だったら断るけど。

 それにこんな美学なんてどうせなんの役にも立たないのだ。読者はそんなささいなポイントで作品をジャッジしないのだ。

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