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2010年1月 5日 (火)

微妙な立場

 子供たちの嘘は、おとなの理解を超えるような微妙な立場を、おとなに理解できるようにしようとする単純化の努力にすぎない。
------ミシェル・トゥルニエ『魔王』(植田祐次・訳)より

 至言である。子どもにも社会があって、その中で齟齬のないようにやっていくのは本当にたいへんなのだ。大人ならなんら問題にしないような取るに足らないポイントにその子の運命のすべてがかかっているような場合もある。しかし大人は往々にしてその重大さを理解しない。

 そして僕がかねがね疑問に思っていることは、大人たちもまた、子ども時代にそういうたいへんな思いをしてきたはずなのに、大人になるとどうしていともあっさりとそれを忘れてしまうのかということだ(僕はそれを今でもあまり忘れていない気がする。それはたぶん、それだけ自分が大人になりきっていないということなのだろうが)。

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