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2010年8月16日 (月)

The World According to...

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 僕の11冊目の単行本、『有村ちさとによると世界は』が、実業之日本社より17日に配本になる。「月刊ジェイ・ノベル」誌上に連作の形で発表してきた4篇をまとめたものである。これは、2008年3月に刊行された『プロトコル』のスピンオフ作品と言っていい。僕にとっては初めての「シリーズ物」である(まさか自分が「シリーズ物」を書くことになるとは夢にも思っていなかった)。

 この作品の成立事情や創作背景などについては、現在発売中の「月刊ジェイ・ノベル」9月号に長めのエッセイを寄せており、そこにあらかた書いてあるが、重複を恐れずに言うなら、これは『プロトコル』本編の主人公である有村ちさと自身のその後や、周辺人物のさまざまな側面にスポットを当てたものである。

 特に1篇目、「青い草の国へ」は、ちさとの破天荒な父親・騏一郎が旅の伴侶「ブラントン将軍」を伴ってアメリカ南部の小さな町フィルキンズボロを訪れ、お得意の嘘八百を並べ立てて純朴な人たちを煙に巻くというロードムービー仕立ての物語であり、自分でも気に入っている。もちろん全編を通して、あくまで論理的だがどこかがズレているちさとの語り口も健在である。

 オビに素敵な推薦コメントを寄せてくださったライターの瀧井朝世さんをはじめ、ところどころにひっそりと存在している(らしい)ちさとのカタブツ口調ファンの方々に、再びちさと節を堪能していただけることはもちろん、『プロトコル』本編を読まれていない方でも十分に楽しんでいただけるよう配慮して書いたつもりである。こちらを先に読んで『プロトコル』に遡っていただいてもなんら支障はないはずだ。

 前回の本のタイトルが『マザー』で3文字、今回が『有村ちさとによると世界は』で12文字。足して割るとちょうどいいくらいである。しかし平山瑞穂によると世界は、ことほどさようにさまざまな偏りに満ちているものなのだ。質的に差があるとはまったく思えないにもかかわらず、一方でバカ売れする本があると思えば、その一方ではいっこうに売れずに倉庫で埃をかぶるだけの本があるように。

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