ラスマンかましてよかですか?
「野性時代」11月号に、短編小説をひとつ寄せた。『棺桶』というタイトルである。われながらなんというタイトルかと思うが、ほかには思いつかなかった。「短篇ミステリの競演」という特集の一部として掲載されたものだが、あえて断言しよう、これは『ラス・マンチャス通信』回帰作品である。
『全世界のデボラ』も回帰傾向のある短篇を集めたものだったが、あれよりさらに「ラスマン度」が高いことをここに保証する。
ここに至るまでが長い道のりだった。この『棺桶』という作品は、今後僕が正々堂々とラスマン回帰作品で勝負をかけていくことの決意表明のようなものだ。もちろん、これまでの間に広げられるだけ広げた芸風・芸幅は、それはそれとして温存しつつ効果的に活用していくつもりだが、ようやく「解禁」されたラスマン的世界は、今後の僕の執筆活動においてまちがいなくひとつの大きな支柱になっていくものと思う。
「ラスマン」を待望してくださっていた方々、たいへん長らくお待たせいたしました。遅きに失したかもしれませんが、謹んで献上いたしますのでなにとぞ今一度振り向いていただきたく。アレも陸魚も出てきませんが、相同物には事欠かないと思います。
それにしても、あれから早くも6年とは……。
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