« ありえない駅名 | トップページ | ガリガリ博士 »

2011年2月20日 (日)

ケツまくってます

 小学館のPR誌「きらら」で新連載が始まった。タイトルは『ルドヴィカ』、今月発売の3月号から、今のところ月イチで15回前後を予定している。昨年5月に単行本化された『マザー』(連載時のタイトルは『理想の人』)の連載が終わったのが去年の2月号だったから、ちょうど1年ぶりということになる。

 今回初めて、主人公(=語り手)が作家、という設定にチャレンジしている。オートフィクションとも称された『シュガーな俺』のような特例は別として、僕は基本的に、作家である自分と丸カブリするような人物を主人公に据えることはこれまで避けてきた。それでなくても主人公というものは、読者の中で著者自身とダブらされることが一般的に多いと思うので、作家なんて設定にしたら何を思われるかわかったものではないと思っていたからだ。

 それに、作家自身が作家を主人公にするというのは、なにか芸がないというか、「その世界しか知らないんじゃないの?」などと思われそうでイヤだという気持ちもあった。

 しかし考えてみれば、そんなのは自意識過剰というものだし、そういう臆測や詮索をいちいち恐れていたら、そもそも小説など書けはしない。今回、あえて作家を主人公にするにあたって、そのへんはいさぎよくケツをまくったつもりでいる。どうぞ、思うさま僕と主人公をダブらせながら読んでいただきたい。

 どうせ作家なんて嘘つきなのだ。「これだけは本当だ」と言いながら平気で大ボラを吹いている場合もあるし、都合が悪くなれば「それはあくまでフィクションだから」と言って逃げるのが常套手段なのだ。

 というわけで今回は、作家・伊豆浜亮平が主人公である。「過去五年間、一本もヒットが出ていない作家」という設定である(ってマンマじゃん)。その売れない作家たる伊豆浜が、生活費の足しにするために請け負っている女性週刊誌のライターとしての仕事を通じて、若き天才ピアニスト・荻須晶と知り合う。荻須は「鍵盤王子」の異名を持つ超イケメンで、伊豆浜はこの男をイケ好かない奴と思うが、相手にはなぜか気に入られてしまう。それをきっかけに、伊豆浜はしだいに抜き差しならない立場へと追い込まれていくことに……。

 ざっくり言えばそんな話である。連載第1回分だけ、「webきらら」で読むことができるので、リンクを貼っておこう。ご興味があればご一読を。

『ルドヴィカ』連載第1回

 

|

« ありえない駅名 | トップページ | ガリガリ博士 »