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2011年2月 1日 (火)

孤独の影

 人はどれだけ長い間一人きりでいられるものなのだろうか。孤独に強い人間と弱い人間がいるが、僕はどちらかといえば後者だろう。孤独を愛する人間と思われがちだが、それは誤解だ。僕はただ単に、つきあいたい人としかつきあいたくないだけなのだ。そしその「つきあいたい人」の種類が、あまり多くないだけなのだ。

 単純に、群れることが好きではないというのもあるだろう。居合わせた人間の数が多くなればなるほど居心地の悪さを感じ、自分の存在を消してしまいたくなる。そのいたたまれなさを吹き飛ばそうとして、不器用にはしゃぐふりをした結果、ありもしない人格を付与されて往生したこともある。

 しかしそれも昔の話だ。人は歳を取ると、避けられないものをたくさん抱えていきもするが、同時に避けたいものを巧妙に避ける術も身につけてゆく。たとえば、子どもにとって、集団行動が苦手であることは命取りともなりうるが、今となってはそんなことは問題にもならない。子どもには逃げ場がない。僕は当時、あの地獄をどうやってしのいでいたのだろうか。

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