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2011年8月 8日 (月)

殿様会計

 先月の頭、まだ喉の炎症がひどかった頃、某大学病院の緊急外来にかかったことがある。よりによって日曜の夜に痛みが耐えがたいレベルに達し、調べたところ、耳鼻咽喉科で急患を受けつけているところが近場ではそこしかなかったからだ。

 診療費はその場で清算していたのだが、2週間ほどして電話がかかってきた。なにやら要領を得ない感じの中年男性の声で、「検査費」だかなにかの¥1,800が未払いになっているので、今度来たときにでも会計の何番で支払ってほしい、という趣旨のことを言われた。

 どう考えても先方のミスによる請求漏れである。そのためにわざわざ時間を作り、交通費を払ってまで窓口に行く義理はないと思ったのだが、その時点で僕は、近々紹介状をもらってその大学病院にあらためてかかり直すことを考えていた。それに、その頃の僕はまだ寝込みがちで、細かいことを電話であれこれ話す元気もなかったので、近いうちに診察を受けに行くからそのときお支払いしますと答えて電話を切ってしまった。

 しかしその後、病状が目に見えてよくなってきて、結局その病院に再度行く可能性がほぼなくなってしまった。そうなるとやはり、そのためだけにわざわざ窓口に行く気にはなれない。そうこうするうちに月も変わってしまっていたので、銀行振込かなにかで済ませられないか確認してみようと思って、今日、電話してみた。

 最初に電話をかけてきた要領を得ない感じの中年男性の名前も控えそこねていたので、外来会計に回してもらって電話に出た中年女性に経緯を説明しはじめたところ、こんなやりとりになった。

「そちらにかかったのは7月3日なんですが」
「本年の1月3日ですね」
「いえ、7月です。1月ではなくて」
「お名前は? どちら様ですか?」
 (※カブッている)
「ヒラヤマミズホと申しますが、あの、7月ですよ? 1月じゃなくて」
「ヒラヤマミズホ様ですね、お待ちくださぁい」
 (※後半にカブッている)

 聞いちゃいねえ。しかも、保留ボタンを押すつもりで間違えたらしく、この直後に「プツ……プーップーップーッ」となった。その時点で僕はキレて、二度とこちらからは電話をかけてやるまいと思った(その後、向こうからはかかってこなかったので、月を間違えていたためにどの患者か特定できなかったのだろうと思われる)。だいたい、もともとこっちの落ち度ではないのだ。本当に困ったらまた連絡してくるだろう。

 大学病院というのは、診療の方はたいへん頼りになるのだが、殿様商売だからなのか、いったいに事務がお粗末な場合が多い気がする。

 あと、(これはまた別の大学病院の話だが)診察が長引いて、その日の会計の締めに支払いが間に合わなかった場合などに、郵便局で依頼する電信ナントカみたいな、聞いたこともない支払い方法を指定するのもやめてほしい。

 そのときは郵便局の局員ですら、そのための専用端末らしきものものしい機械を前に、マニュアルを見ながらものすごく時間をかけて処理していた。きっと、それで振り込んでほしいという依頼がめったにないのだろう。どうしてそんなものが唯一の支払い方法に指定されているのか、理由がまったくわからない。

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