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2012年8月 6日 (月)

外国語教材風ミステリー

 講談社の「メフィスト」2012 Vol.2 に、短篇がひとつ掲載されている。「短篇」といっても中篇に近い長さである。『蠅町実用会話入門』というけったいなタイトルだが、これには理由がある。外国語教材にしばしば採り入れられているスキット(寸劇)を模した文体で全編を綴っているのだ。

メフィスト 2012 Vol.2

 イメージとしては、中学生向けの英語教科書がいちばん近い。最初にまず、決まった登場人物の出てくる会話中心のちょっとしたドラマ仕立ての課題文があり、そのあとで単語や文法事項について学ぶ、というのがああした教材の基本的なスタイルだが、その寸劇部分のみを抜き出したような体裁である。

 語学教材と同じく、使用する語彙や構文なども、章(Lesson)を追うごとに種類が増え、より複雑な意味内容を伝えるものにシフトしていく。その中で、日本からアメリカ西海岸の小さな町にやって来た留学生イサム・タカダの生活と、その周囲で発生した女子高生殺人事件をめぐる謎解きが語られる、というものである。

 こういう形式で小説を書いてみようと最初に思いついたのは、実はもう15年ほども前(もちろんデビュー前)のことである。アイデアというのは、すぐには実現しなくても、あるとき不意にそのチャンスが訪れたりするものだから、思いついたらなんでもストックしておくに越したことはないのだな、とあらためて思った。

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 それはそうと、クーは本当によく寝る。最近のお気に入りスポットは、僕の書斎の窓際、ギターが立てかけられているあたりである。注意深く見ていると、日中の5分の4くらいの時間は、こうしてここで半醒半睡状態で寝そべっているようだ。

 そして、今さら言うまでもないが、クーの手足は長い。手首から先の部分が長さ的にあきらかに余分だという気がする。そんなに手足が長いのに、いわゆるスラリとした体型にちっとも見えないのは、たぶん胴も同じ程度にムダに長いからだろう。

 クーは、胴も手足も尻尾も全部長い。そのせいで、全体として「均斉の取れたプロポーション」には決してならず、「なんか長いなあ」という、必ずしも名誉ではない印象にしか結びつかないのである。

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