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2012年11月 4日 (日)

『マザー』文庫版

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 さて、2010年に刊行された僕の長篇小説『マザー』の文庫版(小学館文庫)が、今週なかばには出回ることになる。表紙は、単行本のときのソリッドなものとはガラリと変わり、京都在住の気鋭のイラストレーター大前壽生さんのイラストを配置したものになった。主人公・夏実をイメージしたものである。
 この夏実、めちゃくちゃかわいくてカッコいい。僕はこんなに魅力的な登場人物を生み出していたのか、とイラストにしていただいて初めて思った(笑)。
 ちなみにこのイラスト、実はオリジナルの上半分しか使っていない。大前さんは、こういうデザインになるとわかっていながら、夏実の全身を描かずにはいられなかったとのことだ。
 僕は事前にその「全身バージョン」も見ているのだが、結果として発表されず、残念だと思っていた。そうしたら、大前さん自身がブログで、それを発表してくださっていた。しかも、ポスター風にアレンジまでしてくださっている。感動的である。
 このポスター、はっきり言ってすごく欲しい。
 感動的といえば、今回、ミステリ書評家の三橋曉さんが寄せてくださった渾身の解説もそうだ。三橋さんは、これを書くために、再読も含めて、僕の既刊の単行本16冊をすべて読んでくださったそうで、その中にこの『マザー』を位置づけしなおすということをしてくださっている。著者としてはまさに感涙ものである。
 これら強力な援軍のもとに、単行本のときには素通りしてしまった人たちの目にもこの作品が触れ、あらたな読者をたくさん獲得できることを祈ってやまない。

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