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2013年1月 3日 (木)

不思議の国の宝塚

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 昨日、川越の実家に年始の挨拶に赴いたところ、おもしろいものを見せられた。祖母が宝塚歌劇団に在籍していた頃の「手簿」である。

 祖母といっても僕が生まれる前には亡くなってしまっていたので面識はないのだが、宝塚歌劇団の第13期生であり、近江ひさ子という芸名を持っていた(本名は旧姓で森下宮子。「近江ひさ子」よりこっちの方がむしろ芸名っぽく感じられるのが不思議である)。

 父は、自著『川端康成 余白を埋める』(2003年、研文出版)において、川端康成の『歌劇学校』が事実上この祖母の代筆になるものであるという点を丹念に検証しているのだが、その点はさておき、問題は画像の「手簿」である。

 手簿というのは聞き慣れない語だが、要するに宝塚歌劇学校の生徒としての「生徒手帳」に当たるものと思っていいようだ。校則が印刷されているページもあるが、おもしろかったのは、手書きであれこれ書き込まれて捺印されているページだ。

 大正13年4月に入学してから、大正15年9月に「依願退校」するまでに支払われた手当の額が記録されている。「自今日手当金壱圓也」などと読める。「自今日」とは、「本日より」という意味に取れなくもないが、なにか校内で使われていた特殊な用語なのかもしれない。

 学校に在籍していながら手当が支給されるという、まことに不思議な世界である。

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