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2013年5月20日 (月)

新連載『彫千代 〜Emperor of Tattoo〜』

 小学館の「きらら」6月号より、僕の長編小説の連載が始まった。『彫千代 〜Emperor of Tattoo〜』という作品だ。「彫千代」は「ほりちよ」と読むが、明治時代に実在し、主として横浜で活躍した刺青の彫り師。この人物は、日本ではほぼ無名だったにもかかわらず、海外、特に英米では、「刺青のエンペラー」または「刺青のシェークスピア」とまで讃えられていたという変わり種である。

 某書でこの人物のことを知り、すっかり惚れ込んでしまった僕は、いつかこれを題材に小説を1本書きたいと思って構想を練っていた。初の歴史物だけあって調べものも大量に発生するし、他の仕事のかたわらゆっくり資料を集めていこうと思っていたら、予想していたよりも早く連載の話が具体化してしまったので、少々泡を食った。

 初体験の要素が多く、作品世界を構築していく作業はいつになくハードだが、いつになく楽しくもある。基づくべき史実もあるが、本人の生い立ちなどについては謎の部分も多いので、そこは想像で補わざるをえない。その作業が、楽しくてたまらないのである。結果としては、史実を踏まえながらも、大胆にフィクション要素を織り交ぜた作品になっていくだろうと思う。

 また、作中では特に、彫千代とその弟子・清吉(せいきち)の間の、入り組んだ愛憎のもつれみたいなものを軸に物語を展開していきたいと思っている。ある意味で、オトコ臭ムンムンの世界である(考えてみたら、そういうのも、僕が書くのは初めてではないか)。

Webきらら」で連載第1回のみ全文読めるので、ぜひご一読いただきたい。ただでさえ「毎回作風がバラバラ」といわれる僕の作風が、さらに無駄に枝分かれしたと見なされそうだが、僕の中ではあくまで、これまでのさまざまな作品の延長線上に、ひとつの到達点としてこれが位置づけられているのだ。 

http://www.quilala.jp/pdf/hori01.pdf

 なお、扉絵を担当してくださっているのは煙楽さん。実は僕自身、届いた掲載誌で初めてこのイラストを目にしたのだが、スタイリッシュで妖しく、なかつ萌え要素も満点で、まさに僕が作品で狙っているとおりの雰囲気を体現しているので、「おお!」と唸らされた。

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