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2013年9月25日 (水)

文教堂浜松町店さん御礼

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 文教堂書店・浜松町店にお邪魔して、最新刊『四月、不浄の塔の下で二人は』のサイン本を作らせていただいた。

 こちらには本当にお世話になっていて、2作前の『ルドヴィカがいる』のときから3作連続でサイン本を置かせていただいているばかりか、6月に出た前作『悪魔と私の微妙な関係』以降、ご覧のとおり、「平山瑞穂を読みつくせ!」なる破格の待遇のコーナーを常置してくださっている。

『悪魔と私の微妙な関係』などは、入荷した分はとうに「売りつくし」てしまい、現在は版元在庫も逼迫しているため、新規入荷待ちの状態とのこと。もう、どうお礼したらいいものやら……。

 ほとんどの作品に個別に手書きPOPをつけてくださっているが、それによれば、平山瑞穂未読の方にはまず『マザー』がお勧めで、2番目が『偽憶』、『ルドヴィカがいる』については「現時点での最高傑作」とのコメントがある。あれはちょっと癖があるだけに賛否の分かれる作品だと思うが、自分としては本当に楽しんで書いたものなので、このように言っていただけるのはこの上なく嬉しい。

 なお、最新作のところに立ててある僕の手書き色紙の文言は、撮影時の光線の加減か、「この世界が〈異界〉に見える」で途切れているように見えるが、実際には2行目に「感覚をお楽しみください」と続いている(はず。自作についてこうした「ひとことコメント」を考えるのはどうも苦手で、毎回時間をかけてひねり出すわりにたいしたことが言えずもどかしい思いをしている)。

 ともあれ、お近くにお立ち寄りの際はぜひ覗いてみていただきたく。それにしても、今回初めて、自分で画像を撮ることができた。過去2回は、コーナーが存在すること自体がなんだか気恥ずかしくて(というか心苦しくさえあって)直視できず、ましてカメラを向けるなど「めめめっそうもない!」というありさまだったので。

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2013年9月21日 (土)

新刊『四月、不浄の塔の下で二人は』

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 僕の19冊目の単行本、『四月、不浄の塔の下で二人は』(中央公論新社)が、そろそろ世に出回りはじめている。

 着想したのは4年以上も前のことなのだが、いろいろあってなかなか着手することができずにいた。そのかわり起稿してからはほぼ一気呵成で、あとから数えたら正味4ヶ月にも満たない期間で書き上げていたとわかり、自分でも驚いた。長い構想期間を経て頭の中で物語が熟成され、とっくに「完成品」ができあがっていたのだろう。

 迷いもなく一気に書ききり、読み返してもほとんど手直しの必要を感じない。そういうケースは稀だ。僕の中では、まさに「書くべくして書いた」という感触のある作品である。

 この作品は、ある意味で、昨年4月に上梓した『出ヤマト記』の姉妹篇のようなものである。もちろん、背景やモチーフはまったく違うのだが、『出ヤマト記』が、「異世界」に単身飛び込んでいく少女の物語だとすれば、本作はその逆で、「異世界」から少女が単身、われわれの住むこの世界に飛び出してくる。ただし、ファンタジー的な設定はいっさい使用していない。

 新興宗教団体の中には、共同生活を送る聖域のようなものを築き、外部世界との接触を断って信仰の浄化を図ろうとするタイプの教団がある。もしもそういう教団の内部で生まれ、出生届も提出されず、当然学校に通うこともなく、聖域から一歩も外に出ないまま成長した子がいたとしたら? そしてそういう子が、ある日突然、何も知らない外部世界にたった1人で対峙しなければならなくなったとしたら? この作品は、そんなところから着想したものだ。

 主要な舞台は、東京都東部の下町周辺である。出水ぽすかさんによる装画に描かれているのは、まさにそういう風景だ。ごみごみとした下町の住宅地を前景にして、東京スカイツリーが聳えている。ともにこの現代日本に実在するものであるにもかかわらず、なぜか近未来かパラレルワールドの風景を描いたものみたいに見える。しかしそれこそ、僕が描きたかった「異界としての現実世界」なのだ。

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