« アンソロジー『変態』(シリーズ紙礫) | トップページ | トークイベントのお知らせ »

2017年3月17日 (金)

遅い目覚め

最近、深田晃司監督の映画作品をいくつかたてつづけに観た。すばらしい。「先が読めないおもしろさ」というのは、こういう作品群にこそ捧げられるべき言葉だと思う。はっきりした起承転結、わかりやすい文法に則ってウェルメイドに作られたどんなエンタメ作品よりも「先」が気になって、ひとたび観はじめるや途中でやめることができない。

それらを観ながら、自らの不明を恥じずにはいられない(村上春樹的に言うなら、「不明を恥じないわけにはいかない」。なんで村上春樹的に言いなおさなければならないのかは自分でもよくわからないが)。深く、深く不明を恥じる。僕はこの十数年、いったい何をしていたのだろうか。あくせくと目の前の仕事を片づけることに汲々としながら、いちばん大事ななにかを見失っていたのではないだろうか。

もう遅いかもしれない。今さらかもしれない。しかし僕は、とにかくもう一度、本来自分が目指していたところに目を据え、そこに向かって歩みを進めていこうと思う。僕のいわゆる(エンタメ作家としての)作家生命は、昨年の時点ですでに尽きたと思っている。どうせもう終わっているのなら、何をどう仕切りなおそうが勝手ではないのか。

|

« アンソロジー『変態』(シリーズ紙礫) | トップページ | トークイベントのお知らせ »